上の『過去の「今月のお気に入り」』から、ご覧になりたい月を選んでください。
2006年7月
今月のお気に入り200607
「TO BE CONTINUED」
●Temptations
「ゲット・レディ」や「マイ・ガール」などの大ヒットにより、モータウンの看板ヴォーカルグループとして君臨し続けるテンプテーションズ。本作は1986年の大ヒットアルバムで、全国のソウルバーにおいても“リファレンス”になっています。“レディ・ソウル”最高!
2006年8月
今月のお気に入り200608
「AIN'T NO 'BOUT-A-DOUBT」
●Graham Central Station
“チョッパーベースの元祖”ラリー・グラハム率いる、グラハム・セントラル・ステーション、75年のアルバム。
「ザ・ジャム」「イッツ・オールライト」等、ファンクの楽しさを満喫させてくれる1枚です?
夏バテも吹っ飛ぶこと請け合い。
さあ、元気出して行きましょう!
2006年9月
今月のお気に入り200609
「SHIRLEY MURDOCK!」
●Shirley Murdock
ザップファミリーのヴォーカリスト、シャーリー・マードックのソロ・デヴュー作。
このアルバムを聴くと80年代の、ディスコで踊り明かした日々が甦る人も多いのでは。
ファンクナンバーではパワフルに、バラードではゴスペルルーツの歌ヂカラで、たっぷりと聴かせてくれる傑作です。
2006年10月
今月のお気に入り200610
「I'M STILL IN LOVE WITH YOU」
●Al Green
アル・グリーンを一度でも“生”で聴いたことのある人は、ホールの隅々まで届く声と圧倒的なエネルギーを決して忘れないでしょう。
ぜひまた来日してほしいものです。本作はハイ・レーベル、“輝く明星”の72年発表のアルバム。名曲「ラブ・アンド・ハッピネス」が収録されています。
2006年11月
今月のお気に入り200611
「LOVE SONGS ARE BACK AGAIN」
●Band of gold
秋も深まり人恋しい気分になった時には・・・。
ソウルバラードの名曲の数々をメドレーで聴かせてくれる、美しくかつ 愉快な一枚です。(五目あんかけチャーハンみたい?!)
輸入盤で詳細は不明なのですが、RCAビターから1984年 に出たアルバムです。
2006年12月
今月のお気に入り200612
「I FEEL A SONG」
●Gladys Knight & The Pips
ブッダ・レコードから74年に出たアルバム。
賑やかに慌ただしく過ごしながらも、過ぎ去った日々を振り返ることも多い年の瀬。
「ラブ・ファインズ・イッツ・オウン・ウエイ」やライブ収録の「追憶のテーマ」等々。
グラディスの暖かく力強い歌声に、励ましと勇気をもらって・・・。

皆様、よいお年を!
2007年01月
今月のお気に入り200701
「THE ONE GIVETH, THE COUNT TAKETH AWAY」
●William "Bootsy" Collins
昨年のクリスマスアルバムで、全国のソウルバーの話題をさらったブー ツィー・コリンズの82年のアルバム。
冒頭の「シャイン・オ・マイト」から、めでたさ満開、今年も元気にス タート!!
2007年02月
今月のお気に入り200702
「BREAKIN' BREAD」
●Fred & The New J.B.'s
1974年、J.B.'sの4枚目のアルバム。
当店の名前は、この中の4曲目から拝借しました。
“〜 I liked rice the best, I would eat rice with anything〜”
ディスコではやった「ファンキー・ウォーターゲート」、今でも踊れますか?
           
2007年03月
今月のお気に入り200703
「FLOWERS」
●The Emotions
「ベスト・オブ・ マイ・ラブ」や「ブギー・ワンダーランド」の大ヒットで知られるエモーションズですが、この季節に聴きたくなる曲はやはり「フラワーズ(愛に咲く花)」。CBSソニーから1976年に出た、モーリス・ホワイトのプロデュース第1弾のアルバムです。
昨秋久しぶりに来日した彼女達、これからも美しい花を咲かせ続けてくれますように!
           
2007年04月
今月のお気に入り200704
「FANTASTIC VOYAGE」
●Lakeside
レイクサイドと言えば、ライブの良さで忘れられないバンドの一つ。4月は旅立ちの季節、'80年の3枚目のこのアルバムで彼らがいざなうのは"The land of funk"!
5月の来日が今から待ち遠しい今日この頃です。
           
2007年05月
今月のお気に入り200705
「NATALIE」
●Natalie Cole
日本ではジャズのイメージが強い ナタリー・コールですが、本質はコンテンポラリーなR&Bシンガー。偉大な父の残像と葛藤しながら前に進む姿にエールを送るファンも多いのでは?
「ミスター・メロディ」、「ソフィスティケイテッド・レディ」等が収録された’76年のセカンドアルバム。
ちなみに、メイシー・グレイの新譜で共演した「ファイナリー・メイド・ミー・ハッピー」は、アルバム中出色の出来映えになっています。
           
2007年06月
今月のお気に入り200706
「GREATEST HITS」
●The Chi-Lites
今春久し振りに来日したザ・シャイ・ライツ。オリジナルメンバーはロバート・レスターのみでしたが、ズート・スーツに帽子のシカゴ・ファッションで、粋な大人のステージを存分に楽しませてくれました。
'83年CBSから発売されたこのアルバムには、美しいアレンジが印象的な「ザ・コールデストデイズ・オブ・マイ・ライフ」も収録されています。
           
2007年07月
今月のお気に入り200707
「NEVER TOO MUCH」
●Luther Vandross
長く地道にキャリアを積み重ねてきたルーサーは、'81年のこのアルバムでプラチナ・ディスクを獲得し、ソロ・アーティストとしての地位を確立しました。
ソウル、R&Bのカテゴリーを越えて活躍し、愛され続けたルーサー・ヴァンドロス。2年前の7月1日に惜しまれながらこの世を去りましたが、彼の残した音楽はこれからも多くの人に安らぎを与え続けてくれることでしょう。
           
2007年08月
今月のお気に入り200708
「OHIO PLAYERS GOLD」
●Ohio Players
オハイオ・プレイヤーズのファンク・サウンドには熱帯夜に漂う熟れた果実の香りがする。聴く人を妖しくみだらな気持ちにさせる真夏の夜の遊園地。
「ラブ・ローラー・コースター」、「ファイヤー」等、マーキュリー・レーベルでのヒット曲を集めた'76年のベストアルバムです。
           
2007年09月
今月のお気に入り200709
「CITY SLICKER」
●J. Blackfoot
数多いサザン・ソウルの名曲の中でも1度聴いたら忘れられない1曲といえば、J. ブラックフットの「タクシー」。ソウル・チルドレンからソロ転向後第1弾として、'83年に発売されたアルバムです。
'84年の2作目"PHYSICAL ATTRACTION"と合わせたアルバム"TAXI"では、ジャケットに渋谷駅前の風景が使われ、日本のソウルファンを多いに喜ばせました。
           
2007年10月
今月のお気に入り200710
「THE POINTER SISTERS」
●The Pointer Sisters
ガールズグループとして長く活躍し続けたポインターシスターズの、1973年のデビューアルバム。
小粋なジャズテイストに仕上げてありますが、ゴスペルで鍛えた力強くスリリングなボーカルスタイルは、後のヒットの数々を予見させてくれます。
中でもアラン・トゥーサンのカバー、「イエス・ウィ・キャン・キャン」は必聴。
           
2007年11月
今月のお気に入り200711
「PEACHES & HERB 2 HOT」
●Peaches & Herb
ソウル・ファンのみならず、ディスコ・ファンにはおなじみのピーチズ・アンド・リーブ。'70年代後半から'80年代初頭にかけて、チーク・タイムに「リユナイテッド」がかからない夜はなかったと言っても過言ではないでしょう。
デュオとしてもキャリアは66年からと長く、近年では02年のライブ映像で4代目のピーチ嬢を相手に変わらぬ艶やかな歌声を聴かせてくれたハーブ氏。
「シェイク・ユア・グルーヴ」等、軽快なダンス・ナンバーも楽しい78年のアルバムです。
           
2007年12月
今月のお気に入り200712
「FUNKY CHRISTMAS」
●James Brown
昨年のクリスマスにMR.J.Bが天に召されて早いものでもう1年。今年の出会い、そして別れ・・・。皆さんはどんな一年だったでしょうか。
MR.J.Bのサンタが星空を駆けめぐって私達に音楽のプレゼントを惜しみなく与えてくれます。
キング・レコード時代の3枚のクリスマス・アルバムから編集された、'96年のCDです。
           
2008年01月
今月のお気に入り200801
「ZAPP II」
●Zapp
ザップを熱烈に愛するファンは、時代と世代を超えて増殖中。トーク・ボックスを自在に操る独自のファンク・スタイルは他の追随を許さず、ステージ・パフォーマンスの素晴らしさでもワン・アンド・オンリーでした。
'80年にメジャー・デビューを果たした後、ワーナーに移籍した'82年のこの第2弾は、まさに日の出の勢いを感じさせるアルバムです。
           
2008年02月
今月のお気に入り200802
「RAY, GOODMAN & BROWN II」
●Ray, Goodman & Brown
ニュージャージーが生んだスウィート・ソウル・グループ、モーメンツ改めレイ・グッドマン&ブラウンの'80年のアルバムです。「ラブ・オン・ア・ツーウェイ・ストリート」や「スペシャル・レディ」等、バラードの名曲の数々で知られていますが、今月は当店の17回目の誕生月。このアルバムの「ハッピー・アニバーサリー」でお祝いです。
           
2008年03月
今月のお気に入り200803
「BOBBY WOMACK'S GREATEST HITS」
●Bobby Womack
優れたギタリストでコンポーザー、そしてサム・クックの薫陶を受けたヴォーカリスト、ボビー・ウーマックの'74年までのベスト・アルバムです。
他にも、ウィルソン・ピケットやパティ・ラベル等、多くのアーティストとの共演は枚挙にいとまがありません。
日本でトータス松本が、また最近ではR&Bの新星ライアン・ショウはがカバーした「ルッキン・フォー・ア・ラブ」は春一番に聴きたい曲です。
           
2008年04月
今月のお気に入り200804
「THIS IS NIECY」
●Deniece Williams
気分も新たに始まる4月の朝に、名曲「フリー」はいかがでしょう。
スティービー・ワンダーのバック・ヴォーカリストだったデニース・ウィリアムズは、カリンバ・プロダクションからこのアルバムで76年にソロ・デビューしました。
春の陽射しのように明るく愛らしいヴォーカルと、美しく完成されたアレンジで聴かせるEW&Fサウンドが相まって、元気と希望が湧きあがってくることうけあいです。
           
2008年05月
今月のお気に入り200805
「GREATEST HITS」
●Manhattans
近頃うれしいニュースといえば、マンハッタンズが2年振りに来日することでしょうか。
“ブルー”ラヴェットの渋い語り、ドゥー・ワップ・ベースのコーラス、そしてサム・クックのフォロワー、ジェラルド・アルストンのリード・ヴォーカル・・・。けれん味や洗練とは無縁の彼らの、無骨で誠実なパフォーマンスは、毎日食べても食べ飽きない家庭料理のようです。
各バラード「キス・アンド・セイ・グッバイ」、大ヒット曲「シャイニング・スター」等を収めた’80年のベストアルバムです。

P.S. サム・クックの曲を集めたジェラルド・アルストンのソロ・アルバムが最近発売されました。こちらもおすすめです。
           
2008年06月
今月のお気に入り200806
「THE VERY BEST OF」
●Rufus featuring Chaka Khan
このところうれしい来日のニュースが続きます。
6月のメイン・イベントはチャカ・カーン!昨年のアルバム「ファンク・ディス」でグラミー賞2冠に輝いて早々の来日。最近発売されたライブDVDでも円熟味と貫禄を大いに発揮しています。
「アイム・エブリー・ウーマン」、「恋のハプニング」等ソロ・アルバムでも数々のヒット曲のあるチャカですが、ここではルーファス時代のベスト・アルバムを紹介します。'82年にMCAレコードから発売され、その後CD化されました。
           
2008年07月
今月のお気に入り200807
「ATLANTIC STARR」
●Atlantic Starr
梅雨の晴れ間に見上げる夜空に夏の星座が輝く七夕の季節。満天の星空に流れ星が尾を引く美しいジャケットのアルバムで'78年アトランティック・スターはデビューしました。
初期のこの頃は9人編成の力強いファンク・グループでしたが、その中にあふれる歌心は印象的で、'80年代後半ポップ路線に変わった後の大ヒット曲「オールウェイズ」へと受け継がれていきます。
ちなみにベースのクリフ・アーチャーは現在日本で活躍中です。
           
2008年08月
今月のお気に入り200808
「LIGHT OF WORLDS」
●Kool & The Gang
クール&ザ・ギャングの話題になると、ファンの間では'69年のデビューから'79年ジェイムス・"J.T"・テイラー加入の以前・以後で好みや評価が分かれるようです
記録的な猛暑になりそうなこの夏、夕暮れ時に冷たいジンなど飲みながら「サマー・マッドネス」を聴けばこれこそ夏の醍醐味、脳みそは気持ちよく溶けてゆくでしょう。'74年のアルバムです。
           
2008年09月
今月のお気に入り200809
「TELL ME A LIE」
●Bettye Lavette
一度聴いたら忘れられないソウルフルでディープな歌声。とても好きなシンガーなのですが、知名度はもうひとつなのか名前を聞く機会が少ないベティ・ラベット。この夏のフジ・ロック・フェスティバルに出演したとのことで、さぞかし多くの聴衆の心をつかんだことでしょう。ライブを見た方の感想が聴きたいです!
'60年代から活躍する彼女の初アルバムがこの作品。'82年モータウンからリリースされました。最近CD化されたのも嬉しいニュースです。
           
2008年10月
今月のお気に入り200810
「TRYING TO LIVE MY LIFE WITHOUT YOU」
●Otis Clay
先月、2年振りに来日したオーティス・クレイ。六本木の夜をディープにかつ男くさく染めてくれました。
'60年代からシカゴを活動の拠点としていますが、ウィリー・ミッチェルのプロデュースによりハイ・レーベルから'72年に出したこのあルバムは、名曲「愛なき世界で」を含む代表作。
秋の夜長にサザン・ソウルの名盤で熱い涙を流す今日この頃です。
           
2008年11月
今月のお気に入り200811
「IS IT STILL GOOD TO YA」
●Ashford & Simpson
ソングライター、プロデューサー、そしてヴォーカル・デュオとして'60年代後半から輝かしい実績を重ねるアシュフォード&シプソンの'78年のアルバムです。
ソウル界きってのおしどりコンビが紡ぎ出す“大人の愛”の世界。アルバムタイトル曲「永遠の契り」に胸のざわめきを感じる方も多いのでは・・・?
エリック・ゲイルやスティーヴ・ジョーダン等、豪華なミュージシャン等のサウンドも聴きどころの一枚です。
           
2008年12月
今月のお気に入り200812
「WARM YOUR HEART」
●Aaron Neville
10月最後の週、12年振りの来日を果たしたネヴィル・ブラザーズ。年齢を超越した最強のニュー・オーリンズ・ファンクの熱い夜でした。
声も姿も(ファッションも)全く変わらず衰えを知らないアーロン。'91年のこのアルバムは、「エブリバディ・プレイズ・ザ・フール」を始めいろいろなアーティストの名曲を取り上げた名盤です。映画「生きてこそ」のエンディングにも使われた名チューン「アヴェ・マリア」も収録されています。
「アーロン・ネヴィルズ・ソウルフル・クリスマス」も合わせて聴きましょう。
           
2009年01月
今月のお気に入り200901
「SONGS IN THE KEY OF LIFE」
●Stevie Wonder
1976年、このアルバムが世界の音楽シーンに与えたインパクトはすさまじく、「キー・オブ・ライフ」以前・以後という表現がよく使われたように、技術はもちろん、音楽の持つ力について強く考えさせられた出来事でした。
奴隷解放宣言、ワシントン大行進を経て、黒人初の大統領が誕生する新年を、スティーヴィーはどんな気持ちで迎えたことでしょう。
世の中が大きく揺れ動く今、ひとりひとりに問いかけたい・・・。あなたにとっての「キー・オブ・ライフ」とは?
2009年02月
今月のお気に入り200902
「HEAVY SOUL」
●オムニバス
'70年代初頭は、ベトナム戦争や人種差別といった負の要素から大きなエネルギーが沸き上がっていた時代。アトランティック・レコードから'72年に発売されたこの2枚組は、「ファンキー・ナッソー」のザ・ビギニング・オブ・ジ・エンドやザ・パースエーダーズ、ジャッキー・ムーア等々、濃厚な顔ぶれが時代の空気を感じさせてくれるアルバムです。アレサ・フランクリンの歌う「明日に架ける橋」が収録されているのも時代背景と無縁ではないでしょう。
2009年03月
今月のお気に入り200903
「ANTHOLOGY」
●Smokey Robinson and the Miracles
ソウルバラードの究極の1曲と云われたら、「ウー・ベイビー・ベイビー」を選ぶ方は多いのでは?
シンガーとしてだけではなく、ソングライターとしてもモータウンの数々の名曲を紡ぎ出した才能を、ボブ・ディランは「アメリカの偉大な詩人」と評しました。
スモーキーの歌声は春霞のように柔らかく暖かく、人生への肯定感に満ちています。
'58年から'72年まで、ミラクルズと共に活動した15年間の集大成が、'73年にリリースされたこの3枚組のアルバムです。
2009年04月
今月のお気に入り200904
「LOVE TRIPPIN」
●Spinners
スピナーズの歴代のリード・シンガーの中ではG.C.キャメロンを愛するファンが多いと思いますが、春の陽気に誘われるこの時期は4代目ジョン・エドワーズが歌う「メドレー/キューピッド〜アイ・ラブド・ユー・フォー・ア・ロング・タイム」を聴きたくなります。
ディスコ全盛の'80年のこのアルバムは、軽快なダンス・ナンバーあり、女性ヴォーカルが参加したバラードあり、オーソドックスなスタイルの佳曲ありと、多彩はエンターティナーとしてのスピナーズの実力が存分に発揮されています。
2009年05月
今月のお気に入り200905
「SECOND BREATH」
●Denise La Salle
サザン・ソウルの女性シンガーの中でも、デニス・ラサールの陽気な力強さはこの季節にぴったり。さえない気分の朝でも、1曲目の「フリーダム・トゥ・エキスプレス・ユアセルフ」を聴けばシャキッと元気になってしまいます。
マラコ・レーベルから多くのアルバムを出しているデニスですが、この作品はマラコ移籍前の'76年にABCレコードからリリースされました。
2009年06月
今月のお気に入り200906
「SHIP AHOY」
●The O'jays
フィラデルフィア・コーラスグループの代表格オージェイズ。リード・ヴォーカルのエディ・リヴァートは先月19年振りに来日し、熱いステージを観せてくれました。
2006年に早逝した愛息ジェラルドの曲を熱唱する姿に深く心を動かされた夜でした。
'73年のこのアルバムは、「フォー・ザ・ラブ・オブ・マネー」やサード・ワールドのカバーでも知られる「ナウ・ザット・ファウンド・ラブ」、奴隷貿易を歌った表題作「シップ・アホイ」等が収録されています。
2009年07月
今月のお気に入り200907
「LOVESHINE」
●Con Funk Shun
夏が似合うファンク・バンドといえばコン・ファンク・シャン。
今月末からの来日は季節もぴったり。
カリフォルニアらしい明るく乾いたタイトなサウンドが特徴ですが、初期にはソウル・チルドレンやルーファス・トーマスのバンドとしてメンフィスで活動し、ライブ・バンドとしての実力を磨いています。
'78年のこのアルバムには、ライブのオープニング・ナンバーによく使われる「シェイク・アンド・ダンス・ウィズ・ミー」や「ソー・イージー」が収録されています。
プロデューサーはEW&Fのスキップ・スカーボロー。
2009年08月
今月のお気に入り200908
「THE DUDE」
●Quincy Jones
マイケル・ジャクソンの突然の訃報から日が経つにつれ、その業績と存在の大きさを再認識させられる日々が続いています。
ジャクソン・ファイブのスターから“キング・オブ・ポップ”へと変貌してゆく過程は、クインシー・ジョーンズの存在抜きには語れません。
'70年代の終わりから'80年代前半にかけて世界の音楽シーンを席巻したプロデューサー、クインシー。'81年のこのアルバムは商業的要素も含め、音楽のプレゼンテーションとして一つの完成された作品と言えるでしょう。アルバムタイトル曲“ザ・デュード”では、マイケルもバック・コーラスとして参加しています。
2009年09月
今月のお気に入り200909
「ETTA, RED - HOT & LIVE」
●Etta James
現在公開中の映画「キャデラック・レコード」では、ビヨンセがエタ・ジェイムズを体当たりで好演しています。
ダイアナ・ロスやジャニス・ジョプリンにも大きな影響を与えたエタ。'67年アトランティックからアレサ・フランクリンが出現するまで、シカゴのチェス・レコードを拠点にソウルの女王として君臨しました。
'82年のこのアルバムは、映画で描かれたその後ヘロイン中毒を克服し、進化を続けるエタのライブ。「アイド・ラザー・ゴー・ブラインド」や「リスペクト・ユアセルフ」他、サザン・ソウル・ブルーズの名曲の力強いパフォーマンス。これを聴いたら、へこたれてはいられません。
2009年10月
今月のお気に入り200910
「THE VERY BEST OF BARRY WHITE」
●Barry White
低音の魅力。'70年代、深夜のラジオから流れるバリー・ホワイトとラブ・アンリミテッド・オーケストラの曲には、癒されつつも妖しい気分になったものです。
力強いリズムに流れるようなストリングス、語りとも歌ともつかないヴォーカルが絡み合って醸し出される大人のエロス。
'76年のこのアルバムは、デビュー・ヒット「つのりゆく愛」、代表作「愛のテーマ」等、歌手として、サウンド・クリエーターとして“愛”の音楽を創り続けたバリー・ホワイトの20世紀フォックス・レコード時代のベストアルバムです。
2009年11月
今月のお気に入り200911
「BRINGING BACK THE FUNK」
●Brian Culbertson
昨年ルーファスのゲストとして初来日を果たしたスムース・ジャズの若きホープ、ブライアン・カルバートソン。今年9月にはラリー・グラハムをスペシャル・ゲストに、EWFのシェルドン・レイノルズ、ラリー・ダンを加えた自らのバンドで再来日し、鮮烈なステージを観せてくれました。
'08年のこのアルバムはオリジナル曲、'70年代のファンクナンバーのカヴァー曲共に、ファンクへの強い愛とこだわり、そして悦びに溢れています。
エグゼクティブ・プロデューサーはモーリス・ホワイト、参加ミュージシャンの顔触れに興奮し、新世代の才能にわくわくする一枚です。
2009年12月
今月のお気に入り200912
「A MOTOWN CHRISTMAS」
●V.A.
今年も数多くのアーティストが来日し、幸せな夜をプレゼントしてくれましたが、後半を支配したのはやはりマイケル・ジャクソン。
多くのライヴでマイケルの曲が演奏され、「This Is It」公開後は、ソウルやR&Bに縁のなかった人達をもとりこにし、ファンの裾野を広げ続けています。
ザ・テンプテーションズ、スティービー・ワンダー、ジャクソン5、スモーキーロビンソン&ザ・ミラクルズ、ダイアナ・ロス&ザ・シュープリームスが、参加したこのアルバムはクリスマスの定番中の定番ですが、今年は感慨深く胸に響いてきます。
冬の夜空にマイケルの星を探しつつ。。。
メリー・クリスマス。
2010年1月
今月のお気に入り201001
「GRATITUDE」
●Earth,Wind & Fire
EW&Fに関しては今さら説明するまでもありませんが、去る12月の来日公演でバーディン・ホワイト、フィリップ・ベイリー、ラルフ・ジョンソンと一緒に記念撮影をする幸運に恵まれた60組余りのファンは、一生の思い出になったことでしょう。
デビュー40周年の今年はモーリス・ホワイトも共に来日の予定。音楽を通じて彼らのメッセージは次世代へと確実に引き継がれてゆきます。
'75年のこの2枚組のライブ・アルバムは世界の音楽ファンに衝撃を与えた名盤。新しい年、音楽へ、このHPを見てくれる皆様へ、私達を勇気づけてくれる全てにGratitudー感謝ーを込めて。
2010年2月
今月のお気に入り201002
「THE STAX / VOLT REVUE, VOLUME ONE LIVE IN LONDON」
●V. A.
1月初めにNHK-BSで放映されたBBCのドキュメント「ソウル・ディープ」シリーズは、ソウル・ミュージックの誕生から今日までの流れをわかりやすくまとめてあり、初めて観る映像も盛り沢山で、うれしい新年の幕開けになりました。'67年のこのニューアルバムは第4回で取り上げられたササン・ソウルの雄、スタックスのロンドンでのライブ。オーティス・レディング、サム&ディブ、カーラ・トーマス、エディ・フロイド、もちろん演奏はザ・マーキーズとブッカー・T & ザ・MG'S。冒頭の「グリーン・オニオン」から客席のボルテージも全開です。
2010年3月
今月のお気に入り201003
「BUSTIN' LOOSE」
●Chuck Brown and The Soul Searchers
"チョコレート・シティ"と言われるワシントンD.C.で生まれたファンク、ワシントン・ゴー・ゴー。'87年の初来日ライヴは延々と繰り返されるビートの不思議な高揚感に踊り続けた夜でした。
その後の日本のクラブ・シーンに大きな影響を与えたゴーゴーを代表する存在、チャック・ブラウン。'78年のこのアルバムはジャジーな要素も多く、ゴーゴー色は薄いのですが、タイトル曲「バスティン・ルーズ」はいつ聴いてもしびれるかっこよさです。
今月の来日が楽しみですね!
2010年4月
今月のお気に入り201004
「Live! ONE NIGHT ONLY」
●Patti La Belle
フィラデルフィア出身の偉大なディーヴァ。'60年代から活動を続けるパティ・ラベルの魅力は何と云ってもライブ。華やかな歌唱と観客を楽しませる趣向を凝らしたエネルギッシュなステージ・パフォーマンスは、共演した若いミュージシャン達にもプロフェッショナルを学ぶ大きな機会になっているようです。
長らく来日していませんが、是非とも観たいアーティストの一人です。
'98年のこのライブでは、エディと故ジェラルドのレバート親子も共演しています。
DVDが手に入れば、映像で観てほしい、NY・マンハッタン・センターでの一夜限りのライブです。
2010年5月
今月のお気に入り201005
「LALA MEANS I LOVE YOU」
●The Delfonics
寒かった4月も終わり、爽やかに風薫る初夏、『ララ・ミーンズ・アイ・ラヴ・ユー』を口ずさめば心も体もうきうきしてきます。聴く人皆を笑顔にさせるこの魔法の名曲は、プロデューサーのトム・ベルとメンバーのウィリアム・ハートの共作で'68年にリリースされ、世界中で愛されています。
その後のフィリー・サウンドの特徴となった流麗なストリングスを使ったオーケストレーション。
この時代のアルバムにはバック・ミュージシャンがクレジットされていない事も多いのですが、このアルバムでは12名のストリングス・セクションも全てクレジットされています。
2010年6月
今月のお気に入り201006
「LIVE IN NEW ORLEANS」
●Maze featuring Frankie Beverly
梅雨時の曖昧な空気感と湿度にメイズのミディアム・テンポのナンバーは何てしっくりくるのでしょう。
昨年の15年振りの来日は、高額なチャージにもかかわらず連日超満員。誠実で熱心なファンの多さをあらためて認識させられました。ジャズやブルーズ等、プロのミュージシャンに人気が高いのも特筆すべきことでしょう。
'81年のこのライブ・アルバムは、DVDも発売されている名盤。キーボードのフィリップ・ウー氏は現在日本で活躍中です。
2010年7月
今月のお気に入り201007
「"LIVE" at NEWPORT JAZZ FESTIVAL and MONTREUX JAZZ FESTIVAL 」
●IRAKERE
今回のW杯サッカー・南アフリカ大会は、我らがサムライ達の奮闘に日本中湧きましたが、南米諸国のチームの活躍もめざましく、ラテン・テイストの音を聴きたくなりました。
先ごろ来日したチューチョ・バルデスが率いるキューバの偉大な音楽集団イラケレ。アフリカのリズムに始まり、サルサ、ジャズ、ファンク、クラシックまで取り込んだ怒濤の演奏。
'77年に政治的な規制が解除されて世界の音楽シーンへ躍り出た勢いをそのまま感じる'78年のライブ・アルバムです。
2010年8月
今月のお気に入り201008
「WORD UP! 」
●CAMEO
'80年代は耳触りのいいブラック・コンテンポラリーやヒップホップが主流になり、肉体派ファンクは絶滅寸前のありさまでしたが、'86年キャメオの「ワード・アップ!」が発表された時、最新のデジタルサウンドと奇抜なファッションから繰り出される汗のにおいのする硬質なファンクに目の覚める思いがしたものです。
ラリー・ブラックモン率いるファンク・ユニット、キャメオ。9月には11年ぶりに来日します。ヘアスタイルがどうなっているのかも気になりますね!
2010年9月
今月のお気に入り201009
「FOR LOVERS ONLY」
●The Temptations
夏の高気圧は衰える気配もなく、記録的な暑さと熱帯夜が続きます。
「南太平洋」は南の島を舞台にしたラブ・ロマンス。劇中、運命の出会いを歌った主人公エミールのアリア「魅惑の宵」は、アリ・オリ・ウッドソンのレパートリーでもありました。
今年5月に白血病で世を去ったアリ・オリ。この曲を聴くたびに、'07年の来日公演の時の、美しいアレンジで情感たっぷりに歌い上げた姿が目に浮かびます。
この曲を始め、スタンダードな曲のカヴァー集として'95年に発売されたアルバムです。

2010年10月
今月のお気に入り201010
「THANK YOU」
●Bobby Powell
日ごとに秋が深まるこの季節になると、サザン・ソウルをじっくり聴きたくなります。
ルイジアナ生まれの盲目のシンガー/ピアニストのボビー・パウエル。'73年のこのアルバムはジャンプ・ナンバーよし、バラードよしの快作。
サザン・ソウルの古典「C.C.ライダー」やアート・ネヴィルの「オール・ジーズ・シングス」、ヴァン・モリソンの「クレイジー・ラブ」等、名曲をボビー色に染め上げて、秋の夜長に気持ちよく聞き込める一枚になっています。

2010年11月
今月のお気に入り201011
「THE HOUSE」
●Cliff Nobles & Co.
気がつけば、今年もあと2ヶ月、年末に向けて疾走感の増す季節です。秋のG1レースもたけなわときては、もうこれしかありません。
クリフ・ノーブルズ&カンパニーの「ザ・ホース」でホースダンスを踊れば、血のめぐりも良くなってたまった仕事もばっちり片付きそうです。
'68年のこのアルバムは、フィリー・ソウルらしく、後にM.F.S.Bの中心メンバーとして知られるボビー・マーティンがアレンジを担当しています。
'60年代ディスコ・ヒットでは欠かせない1曲です。
2010年12月
今月のお気に入り201012
「KicKin'」
●The Mighty Clouds of Joy
「天使にラブ・ソングを」以来、すっかりおなじみになったゴスペル。この時期には教会や街顔で耳にする機会も多くなります。
デビュー以来50年(!)活動を続けるゴスペル・カルテット、マイティ・クラウズ・オブ・ジョイ。さすがにオリジナルメンバーはリード・ヴォーカルのジョー・ラゴーンだけになりましたが、今年もラファエル・サディークらのプロデュースによる新譜が発売され、息の長い現役が続きます。
'75年のこのアルバムは、ディスコ・ヒットとなった「マイティ・ハイ」、ビリー・プレストンの名曲「ユー・アー・ソー・ビューティフル」等、ソウル・アルバムとしても楽しめる1枚です。
2011年01月
今月のお気に入り201101
「GOLD DELUXE」
●Sam Cooke
新しい年最初の1枚にはサム・クックのベスト・アルバムを。
ソウル・ミュージックの基本中の基本とも言えるサム・クックは、シンガーとしての素晴らしさもさることながら、当時白人に搾取されていた音楽ビジネスにおいても手腕を発揮し、後進に道を開いた偉大な先達です。33年の生涯で残した曲の数々はソウル・ミュージックとして世代を越えて歌い継がれてゆくことでしょう。
サム・クックは永遠に色あせることなく輝き続けるソウルの巨人なのです。
2011年02月
今月のお気に入り201102
「SEX MACHINE」
●James Brown
昨年公開された映画「ソウル・パワー」を観て、全盛期のJ.B.のすごさに初めて触れた人も多かったのでは?
ジェームス・ブラウンの数多いアルバムの中でも代表作の一つが、'70年、ジョージア州オーガスタのベル公会堂でレコーディングされたこのライブ・アルバム。強烈なファンク・ビートに乗せて黒人のアイデンティティーを唄い踊るJ.B.は、唯一無二のカリスマであり、パイオニアであり、ソウル・ブラザー・ナンバー・ワンなのです。
2011年03月
今月のお気に入り201103
「FANTASTIC SOUL BALLADS」
●V.A.
アナログレコードはジャケット・デザインも大きな魅力。いわゆる“ジャケ買い”も楽しみの一つです。リチャード・アヴェドン調の写真が印象的なこの美しいワルバムは、フローターズの名曲「フロート・オン」を中心に、ザ・ドラマティックやデニース・ラ・サール、ア・カペラのストリート・コーナー・シンフォニーによるメドレー等、バラードの佳局を集めたオムニバス。聴いてよし、飾って眺めてよしの素敵な一枚です。
2011年04月
今月のお気に入り201104
「DONNY HATHAWAY LIVE」
●Donny Hathaway
慣れ親しんだ日常が唐突に終わりを告げたあの日から、灯りを落とした街角で、所在なく漂っているような時間が過ぎてゆきます。それでも日毎に日射しは暖かく、花の季節がやってきます。人々が心を寄せ、世界中から“You are not alone.”のメッセージが送られてきます、
ダニー・ハサウェイが観客と共に唄うキャロル・キングの名曲「ユーブ・ガット・ア・フレンド」が、今ほど心にひびく時はありません。
2011年05月
今月のお気に入り201105
「DONNY HATHAWAY LIVE」
●Donny Hathaway
慣れ親しんだ日常が唐突に終わりを告げたあの日から、灯りを落とした街角で、所在なく漂っているような時間が過ぎてゆきます。それでも日毎に日射しは暖かく、花の季節がやってきます。人々が心を寄せ、世界中から“You are not alone.”のメッセージが送られてきます、
ダニー・ハサウェイが観客と共に唄うキャロル・キングの名曲「ユーブ・ガット・ア・フレンド」が、今ほど心にひびく時はありません。
2011年06月
今月のお気に入り201106
「THE BEST OF THE DRAMATICS 」
●The Dramatics
例年になく早い梅雨入り、台風の接近と、今年の雨の季節は長くなりそうです。
雨にまつわるソウル・ナンバー、西の横綱がブルック・ベントンの「レイニー・ナイト・イン・ジョージア」なら、東の横綱はザ・ドラマティックスの「イン・ザ・レイン」でしょうか。雷鳴とどろくイントロで始まるこの曲は、'72年R&Bチャートで4週連続1位を飾り、彼らの代表作となりました。
このアルバムは、スタックス/ヴォルトレーベルに移籍した'74 年までのベスト・アルバム。「ホワッチャ・シー・イズ・ホワッチャ・ゲット」、「ヘイ・ユー!ゲット・オフ・マイ・マウンテン」等、主なヒット曲はこの時期に生まれた事がよくわかります。
2011年07月
今月のお気に入り201107
「GOLDEN DOUBLE ALBUM 」
●Sam & Dave
ここ吉祥寺の映画館「バウス・シアター」では、毎年恒例の“爆音映画祭”が開催中。1日には「ソウルメン」が上映されました。日本では劇場未公開でしたが、サミュエル・L・ジャクソンとバーニー・マック主演の傑作ソウルムービーです。
モデルはもちろんサム&デイブ。月末にはサム・ムーアが来日。「ホールド・オン」、「ソウル・マン」等、誰もが知っている名曲の数々をライヴで聴くチャンスです。来日をためらうアーティストが多い中、今年もきてくれるなんて嬉しい限りです。
'69年のこのアルバムはアトランティック・レコードから2枚組で発売され、収録曲も26曲。最強ソウル・デュオ、サム&デイヴをたっぷり楽しめます。
2011年08月
今月のお気に入り201108
「MACHINE GUN 」
●Commodores
ソウル・ダンスの中でも、リズムに合わせて方や腰、膝をぶつけ合うバンプは、とりわけ愉快な気持ちが盛り上がってくる踊りです。'74年、そんなバンプのリズムに乗って一気にファンク・シーンに躍り出たのがコモドアーズ。アルバムタイトル曲「マシンガン」を始め、踊らずにはいられないファンク・ナンバー満載のデビュー・アルバムです。
後年、バラードでヒットを連発し、ポップ・シンガーとしてソロで活躍するライオネル・リッチーも、この頃はヴォーカル&サックス奏者。アフロ・ヘアーでファンキーな演奏を繰り広げています。
2011年09月
今月のお気に入り201109
「PERFORMANCE」
●Ester Phillips
そこここに秋の気配がしのびよる季節。名残の夏には、独特な声と歌いまわしで聴く人の心の奥深くにソウルを響かせるエスター・フィリップスをじっくりと聴きたくなります中でも'74年のこのアルバムのタイトル曲「パフォーマンス」。アラン・トゥーサンの名曲ですが、夏の終わりにこれほどふさわしい曲があるでしょうか。共同プロデューサーにJ.B'Sのピー・ウィー・エリス。バーナード・パーディーを始め、実力派のミュージシャン達の演奏も聴きどころです。
2011年10月
今月のお気に入り201110
「TP」
●Teddy Pendergrass
ソロになってからのテディ・ペンダーグラスは、セクシーかつエネルギッシュなステージで、一時はマービン・ゲイをもしのぐ勢いでした。'80年のこのアルバムは、アシュフォード&シンプソンの「渇いた夜」やステファニー・ミルズとのデュエット、セシル・ウーマックの「ラヴ・T.K.O」等名曲揃いで、まさに脂の乗り切った代表作と言えるでしょう。
後年の事故で半身不随になってからも、車椅子で歌い続けた不屈のソウル・シンガーでしたが、テディ・ベアと呼ばれた全盛期には、女性限定のコンサートで下着が舞い飛ぶ中で熱唱したとか。恐れ入ります。
2011年11月
今月のお気に入り201111
「THE WHISPERS」
●The Whispers
カレンダーの余白も少なくなってきた頃、ウィスパーズ来日決定の嬉しい知らせ。数年ぶりの来日はカウント・ダウン・イベントもあるとか。双子のスコット兄弟を中心として、コーラス、バック・ミュージシャンが一体となった息の合ったアンサンブルは響きも美しく、バラードもダンス・ナンバーも楽しめて、最高の一年の締めくくりになりそうです。
'80年のこのアルバムは、「アンド・ザ・ビート・ゴーズ・オン」がディスコ・シーンで大ブレイク、'60年代半ばに結成されてから大きなヒットに恵まれなかった彼らを一躍トップ・グループに押し上げた大ヒット・アルバムです。
2011年12月
今月のお気に入り201112
「BORN TO LOVE」
●Peabo Bryson & Roberta Flack
今年は3月の大震災を経て、それまでの日常は大きく変わり、多くの人が本当に大切なものは何かを見つめ直した一年でした。そんな中で、結婚やおめでたのニュースが続き、明日に向かって一歩を踏み出す人が多かったのは嬉しいことでした。
バラードの名手ピーボ・ブライソンとロバータ・フラックのデュエット「愛のセレブレーション」。どんな困難に遭っても、愛と希望を胸に生き抜く全ての人に捧げます。
 メリー・クリスマス & ハッピー・ニュー・イヤー!
2012年01月
今月のお気に入り201201
「THE SUPER HITS VOL.2」
●V.A.
コンピレーション・アルバムの楽しさのひとつは、その時代の空気を感じられることでしょうか。
その頃流行ったダンスやファッション、人々の価値観や社会的背景までもが一枚のアルバムに凝縮されているようです。
2012年、同じ時代を生きる私たちは、どんな空気を造り出してゆくのでしょうか。今、この時を共有していることを喜び合って、日々を慈しんでいきたいものです。
'68年のこのヒット集は、アレサ・フランクリン、ウィルソン・ピケット、オーティス・レディング等々、アトランティック・レコードにきら星のごとく才能が集まった時代の、それはそれはぜいたくな、豪華おせちのようなアルバムです。
2012年02月
今月のお気に入り201202
「THE MUSIC BAND LIVE」
●War
例年になく寒さが厳しい今年の冬,こんな時にはアーシーで陽気で生命力に満ちたウォーのライブを聴いて,身も心も熱くなりましょう。
'80年のこのアルバムは,「ザ・シスコ・キッド」,「ロー・ライダー」等,ヒット曲が次々とメドレーで演奏され「ザ・ミュージック・バンド」と銘打った3枚のアルバムの締めくくりの1枚でもあり,'70年代を通じた活動の総括的なライブ・アルバムと云えるでしょう。日本ではハーモニカのリー・オスカーのソロ活動もよく知られ,ジャズ・ドラマーの故・古澤良治郎との共演でたびたびライブを行ったことも胸に暖かい思い出です。
2012年03月
今月のお気に入り201203
「RITUAL OF LOVE」
●Karyn White
先月急逝したホイットニー・ヒューストンは'63年生まれ、キャリン・ホワイトは'65年生まれ。共に恵まれた音楽環境に生まれ、教会、セッション・シンガーを経て'85年、'86年に相次いでデビューと、経歴に共通点の多い二人ですが、その後の道は随分違ったものになりました。共に魅力的なヴォーカリストで華やかな美人ですが、やはり結婚相手が…と思わずにはいられません。ジャム&ルイスが大半をプロデュースしたこの'91年のセカンド・アルバム。制作中にテリー・ルイスとの恋愛が始まり、そして結婚。全体を通して一人の女性の愛の成長過程が表現され、幸福と喜びに満ちたアルバムになっています。
2012年04月
今月のお気に入り201204
「CURTIS IN CHICAGO Recorded Live!」
●Curtis Mayfield 他
'60年代から'70年代前半にかけてシカゴ・ソウルを牽引し、ニュー・ソウル・ムーヴメントの一翼を担ったカーティス・メイフィールドは、リスナーだけでなく、多くのミュージシャンに敬愛される存在です。革新的で独特なサウンド、社会的メッセージ、愛と知性。自ら設立したレーベルを持ち、映画音楽のプロデューサーとしても多くの作品を手がけています。
このアルバムは'73年、シカゴのWTTW-TVでのライブ・レコーディング。新旧のインプレッションズ、ジェリー・バトラー、ジーン・チャンドラー等、シカゴの盟友が集合、オープニングはもちろん「スーパー・フライ」です。
2012年05月
今月のお気に入り201205
「Gerald ALSTON」
●Gerald Alston
現在最高のヴォーカリストの一人、ジェラルド・アルストン。'70年に弱冠17歳でマンハッタンズに加入。「キス・アンド・セイ・グッバイ」や「シャイニング・スター」の大ヒットを経て、'88年ソロ・デビューを果たしました。日本では「ミッドナイト・エンジェル」とタイトルがついたこのアルバム、リバーブを効かせた音作りに時代の空気が香る上質なアーバン・コンテンポラリー。
サックスには名手ジェラルド・アルブライトが参加、「レッツ・トライ・ラヴ・アゲイン」でのからみも聴きどころです。
人柄の良さでも評判のジェラルド、'93年にマンハッタンズに復帰し、たびたび来日して素晴らしいステージを見せてくれています。
2012年06月
今月のお気に入り201206
「DISCO BABY」
●Van McCoy & The Soul City
           Symphony
先月はドナルド・ダック・ダン、チャック・ブラウン、ドナ・サマーと立て続けに訃報が届き、ラジオでは連日追悼の曲が流れていました。ソウル・ファンからは軽く見られがちなドナ・サマーですが、ディスコ世代なら誰でも、彼女の曲で踊り、楽しい時を過ごした思い出があるはず。
やはりディスコでよくかかっていたのがヴァン・マッコイの「ザ・ハッスル」。いつ聴いてもうきうき楽しくなるこの大ヒット曲は、'75年のアルバム「ディスコ・ベイビー」から生まれました。ゴードン・エドワーズやスティーヴ・ガット等錚々たる顔ぶれが参加、今思えばぜいたくなディスコ・サウンドです。
今夜は一緒に踊り明かしませんか?
2012年07月
今月のお気に入り201207
「IN FULL BLOOM」
●Rose Royce
街のあちこちに七夕飾りを見かける季節、 晴れた夜には都会の空にもたくさんの星がまたたいています。
夏の夜空にはローズ・ロイスの「ウィッシング・オン・ア・スター」がとても似合います。 '76年、映画「カー・ウォッシュ」のサウンドトラックでブレイクしたローズ・ロイス。 '77年発表の2枚目のアルバムは、この印象的な名曲で始まります。
今月後半から8月中旬にかけては、いくつかの流星群を迎え流れ星のシーズンがやってきます。 見上げる星にどんな願いをかけましょうか。
2012年08月
今月のお気に入り201208
「MIAMI SOUL IN DISCO」
●V.A.
連日の猛暑にロンドン五輪も開幕し、熱い夏本番です。
'70年代のあこがれのリゾート、マイアミ。ビーチ・パーティーに繰り出せば、"KC&ザ・サンシャインバンドやジョージ・マックレー、ベティ・ライト達のマイアミ・ソウル・サウンドで盛り上がっています。暮れてゆく海、冷たいモヒート。潮風に乗ってリトル・ビーバーの「パーティー・ダウン」が聴こえてきます。
眺めているとそんなイメージがふくらむ'75年のコンピュレーション・アルバム、ジャケットのイラストはエモリ・アイ氏、ライナー・ノーツはソウル・ダンスのステップ解説付き(!)です。
2012年09月
今月のお気に入り201209
「LIVE AND IN LIVING COLOR」
●Tower Of Power
残暑は衰える気配もなく、今年の夏はまだまだ続きそうです。例年、夏の終わりに開催される東京ジャズ・フェスティバル、今年はタワー・オブ・パワーが出演します。
ほぼ毎年来日し、日本にはファンクラブもあり、愛され続けているTOP。昨年は40周年を記念して歴代のメンバーが勢揃いしたDVDも発売されました。 '76年、ワーナー時代のこのアルバムは、ヒット曲が続き、乗りに乗っていた頃のライブ。まさに、“火花が散るような”プレイで、夏バテ気味の心と身体に活を入れましょう!
2012年10月
今月のお気に入り201210
「RAW」
●Alyson Williams
日毎に秋が深まるこの季節には、本格派の歌をじっくり聴きたくなります。
NY出身のアリソン・ウィリアムスは、ヒップ・ホップアーティスト中心のデフ・ジャム・レーベル初のR&Bシンガーとして、 '89年のこのアルバムでソロ・デビューを果たしました。 ブルー・マジックのテッド・ミルズとのデュエットや、 モーメンツのカバー等、大人の味わいに心地よくお酒も進みそうです。
久保田利伸とのデュエットでも知られるアリソン。 どうやら猫好きのようで、ライナー・ノーツにはペットの猫たちへの謝辞が。 自信のサインも猫のイラスト付きです。(!)
2012年11月
今月のお気に入り201211
「KING & QUEEN」
●Otis Redding & Carla Thomas
今秋、ワーナーミュージック・ジャパンからアトランティック・レコードの廉価版CDが発売されています。最新リマスタリング、歌詞、ライナーノーツ付きで、1枚1,000円とお得なシリーズが合わせて100タイトル。今回が日本初CD化のアルバムが多く、このアルバムもその中の1枚。オーティス・レディングとカーラ・トーマスのデュエット・アルバムです。
'67年、人気絶頂のオーティスと先輩歌手カーラ、スティーヴ・クロッパー、ブッカー・T.ジョーンズらスタックスのミュージシャン達によってメンフィスのスタジオで制作されました。ふたりの掛け合いがファンキーな「トランプ」を始め、カヴァー曲を中心とした楽しいアルバムです。
2012年12月
今月のお気に入り201212
「FUNKY CHRISTMAS」
●V.A.
気がつけば早や師走。外は冷たい木枯らしが吹いていても、この部屋の中はとても暖かそうです。ミルクパンチでしょうか?おいしそうな飲み物も用意されて、これからパーディーの始まりです。
ルーサー、インプレッションズ、マージー・ジョセフ、ジョン・エドワーズが素敵なクリスマスソングを唄い、ウィリス・ジャクソンとルー・ドナルドソンのサックスはムードたっぷり。夢見心地で夜は更けてゆきます・・・そんな'76年の幸せなアルバムに寄せて、メリークリスマス!
2013年01月
今月のお気に入り201301
「REJUVENATION」
●The Meters
年が明けて最初のライブをどれにするか、新年を占う気持ちで選びます。
今年はミーターズの初代ギタリスト、レオ・ノセンテリのセッションでニューオーリンズ・ファンクに決まり!昨年ルーファスのゲストで来日し、最初の一音で空気を変えてしまう圧倒的な存在感を発揮。こんなに早く再来日してくれるとは。しかも今回はバーニー・ウォーレル、フレッド・ウェズリーとすごい顔ぶれです。
今年のスタートは'74年のミーターズ5枚目のアルバム。ニューオーリンズを代表する局の一つ、「ヘイ・ポッキー・ア・ウェィ」で始まり始まり〜。
2013年02月
今月のお気に入り201301
「THE BEST OF OTIS REDDING」
●Otis Redding
世間的には冬枯れのイメージの2月ですが、当店の開店記念日は2月16日。新たなスタートの誕生月です。この時期にはサム・クックやジェイムス・ブラウン達、ソウル・レジェンドを聴いて原点を見つめ直し、初心に還りたくなります。
その中でもオーティス・レディング。今も多くの人に影響を与え続ける不世出にソウル・シンガー。このベスト・アルバムは2枚組、'72年に発売されました。オーティスの活動期間は実質5年間という短さでしたが、お店の方はまだまだ長く続けたいと願っています。
2013年03月
今月のお気に入り201301
「PASS IT ON」
●The Steples
映画『天使にラブ・ソングを』以来、日本でもよく知られるようになったゴスペル。ゴスペル・コーラス教室をきっかけにソウル・ミュージックに親しむようになった方も多いことでしょう。
「アイル・テイク・ゼア」や「リスペクト・ユウアセルフ」等、'70年代のヒット曲で知られるステイプル・シンガーズも活動の初期にはファミリー・ゴスペル・グループとして教会で歌っていました。
このアルバムはグループ名「ザ・ステイプルズ」と変えたワーナー時代、'76年の作品。カーティス・メイフィールドのプロデュースです。
2013年04月
今月のお気に入り201304
「AVERAGE WHITE BAND」
●Average White Band
4月になると、ここ吉祥寺の街は新しく引越してきた若者を多く見かけます。それぞれ胸に夢や希望を抱いて、地方からの上京組でしょうか。かれらにアヴェレイジ・ホワイト・バンドの「ピック・アップ・ザ・ピーセズ」を贈りましょう。
「幸福の扉を!!」と邦題がついたこの曲は、'74年の2枚目のアルバムからのヒット・ナンバーです。スコットランドの田舎町で6人の白人によって結成された、その名も「平均的白人バンド」。このアルバムは全米でヒットし、ゴールド・ディスクを獲得しました。
2013年05月
今月のお気に入り201305
「SWEET SENSATION」
●Stephanie Mills
新緑が眩しい5月、軽快な曲を口ずさみながら井の頭公園を歩いたら気持ちよさそう。ステファニー・ミルズの「ネバー・ニュー・ラブ・デイズ・ビフォア」はそんな気分にぴったりです。
幼い頃から教会で唄い、ブロードウェイ・ミュージカル「ザ・ウィズ」のドロシー役で大成功を収めた後の'80年、この曲はミリオン・セラーの大ヒットとなりました。同じ年にはテディ・ペンターグラスと「フィール・ザ・ファイアー」でデュエット。20世紀レコードの若きスターとして眩しく輝くアルバムです。
2013年06月
今月のお気に入り201306
「BREEZIN'」
●George Benson
例年になく早い梅雨入りとなった今年、高まる湿度に少々うっとうしい気分の時はジョージ・ベンソンの「ブリージン」を聴いて気持ちをリセット。
さわやかなメロディーに清涼感あふれるギタープレイ。ボビー・ウーマック作のこの曲は大ヒットし、彼の代表作となりました。
'76年のこのアルバムではレオン・ラッセルの「ディス マスカレード」でヴォーカリストとしても注目され、その後 スキャットの名手、ブラック・コンテンポラリーの旗手としても評価されてゆきます。
9月には来日も予定されています。
2013年07月
今月のお気に入り201307
「WHERE THE HAPPY PEOPLE GO」
●The Trammps
最近、TOKYO MXで「ディスコ・トレイン」という番組が始まって話題になっています。タイトルはもちろん「ソウル・トレイン」をもじったのでしょう。
そのテーマ曲を演奏したMFSBの中心メンバー、アール・ヤングによって結成された最強ディスコ・バンドがザ・トランプス。
'70年代初頭からディスコを意識したダンサブルなナンバーを発表し、'76年のこのアルバムからは「ディスコ・パーティー」等2曲が米ディスコチャート1位を獲得。翌'77年には映画「サタデー・ナイト・フィーバー」のサウンドトラックで「ディスコ・インフェルノ」がヒット。彼らの代表曲となりました。
2013年08月
今月のお気に入り201308
「THIS IS THE MOTOWN SOUND!」
●V.A.
ミュージカル「ドリーム・ガールズ」の舞台公演が始まり、デニス・エドワーズのザ・テンプテーションズ・レビューのライブもありで、今年の8月はモータウン三昧…と思っていた矢先にデトロイト市破産のニュース。かつて“ザ・サウンド・オブ・ヤング・アメリカ”をキャッチ・フレーズに、多くのヒット曲とスターを世に送り出したモータウン・レコードの故郷の荒廃ぶりに胸が痛みます。ソウル・ファンとしては、モータウン・サウンドを聴いて街の再生を祈りたいと思っています。
2013年09月
今月のお気に入り201309
「WHITNEY HOUSTON」
●Whitney Houston
猛暑に豪雨、果ては竜巻まで起きた今年の夏。それでも気がつけば夕暮れは早くなり、秋の虫が鳴き始めています。wowwowの番組表にホイットニーの追悼コンサートを見つけました。'85年の発売当初は若さと華やかさに溢れているように見えたレコード・ジャケットですが、今見ると夏の終わり、人けの絶えた海辺で西陽に照らされて佇んでいるようで、どこかもの悲しく見えるのは、その後彼女が辿った運命を知っているからでしょうか。歌の力だけで大ホールのコンサートができた数少ないソリスト。彼女の不在は本当に残念です。
2013年10月
今月のお気に入り201310
「SOUL GREATEST HITS SERIES」
●MFSB
スポーツの秋、54年ぶりの東京国体は多摩地域で多くの競技が行われ、吉祥寺もラグビーとバスケットの会場に。アスリートが集結、このアルバム・ジャケットのようなセクシーな選手がいるかも?フィラデルフィア・インターナショナル・レコードのミュージシャン集団MFSB。中心メンバーだったボビー・マーティンは先月亡くなってしまいましたが、おなじみの「ソウル・トレインのテーマ」を始めインストゥルメンタルの軽快なフィリー・サウンドは、ランニングやトレーニングをしながら聴くのにぴったりです。
2013年11月
今月のお気に入り201311
「QUIET FIRE」
●Roberta Flack
井の頭公園の木々も色づき、近づく冬の気配に人肌のぬくもりが恋しい季節になりました。ちょっと切ない大人の恋にロバータ・フラックがそっと寄り添い歌ってくれるのは、キャロル・キングの名曲「ウィル・ユー・スティル・ラブ・ミー・トゥモロー」。
'71年のこのアルバムではサイモン&ガーファンクルやビージーズ、ヴァン・マッコイ等の曲も歌っています。翌'72年の「愛は面影の中に」、'73年には「やさしく歌って」が共に全米1位の大ヒット。2年連続でグラミー賞のレコード・オブ・イヤーを受賞しました。
2013年12月
今月のお気に入り201312
「Disco PAR -R-RTY」
●V.A.
このところ、風営法によるダンス規制の行き過ぎについて音楽家や文化人達も疑問を投げかけ、メディアでも取り上げられています。
'70年代前半の、ダンスナンバーをノン・ストップでつなげたこのアルバム。JBファミリーを始め、ミリー・ジャクソンやザ・ファット・バック・バンド等ソウルフルな顔ぶれで、当時のディスコで踊りあかした世代にはたまらない選曲です。
歌と踊り、音楽やお酒や出会いを楽しむことは生きるために大切なこと。野暮な法律が一日も早く改正されることを願って、今年の締めといたしましょう。よいお年を!
2014年1月
今月のお気に入り201401
「BIRTH DAY」
●The New Birth
お正月は温泉でのんびり?
温泉といえば箱根、箱根名物といえば長生き卵。まさにそれと見まがう真っ黒な卵から生まれるのは、骨太なファンク・サウンド。 ハーベイ・フークワのプロデュースによる、 70年代を代表する大型ファンク・バンド、ザ・ニュー・バース。
'72年のこのアルバムはヴォーカリストとしてアン・ボーガンや 最強シンガー、レズリー・ウィルソン等が参加し、ファンク・エナジー全開! 新しく生まれ変わった気持ちで元気に一年の始まりです。
2014年2月
今月のお気に入り201402
「FANCY DANCER」
●One Way
今年のグラミー賞の話題をさらったダフト・パンク。スティービー・ワンダーやナイル・ロジャース等と共演したステージは、生演奏のファンクとエレクトロの鮮烈なコラボレーションでした。
彼らの音楽的ルーツである'70年代から'80年代のソウル・ミュージック。中でもP.ファンクやザップ等と共に現在に通じるエレクトリック・ファンクを開拓してきたバンドの一つがワン・ウェイです。
'81年にリリースされたこのアルバムは、新たなファンクの時代の扉を開ける、'80年代の彼らの代表作と言えるでしょう。
2014年3月
今月のお気に入り201403
「EMOTION」
●Merry Clayton
8年ぶりに来日中のザ・ローリング・ストーンズ。
'69年の名曲「ギミー・シェルター」でミック・ジャガーとデュエットし、迫力あるスリリングな歌唱で広く知られるようになったメリー・クレイトン。レイ・チャールズを始め、様々なアーティストのバックシンガーを努めた実力派で、最近公開されたドキュメンタリー映画「バックコーラスの歌姫たち」にも主要な人物の一人として出演しています。
'80年のこのアルバムではジョー・サンプルやイーグルス、スライ・メドレーも取り上げ、多彩なヴォーカルのうまさに感服。
2014年4月
今月のお気に入り201404
「TONIGHT」
●The Four Tops
満開の桜の下、新年度がスタート。学校で職場で、新しい仲間との出会いが楽しい季節です。
音楽の世界でもたびたび顔ぶれを新しくするコーラス・グループやバンドが多い中で、50年代の結成以来、90年代後半にメンバーが亡くなるまで一度もメンバー・チェンジを行なわなかったのがフォー・トップス。モータウン時代はテンブテーションズと双璧を成し、カサブランカに移籍した81年のこのアルバムでも「ホエン・シー・ワズ・マイ・ガール」をヒットさせています。
2014年5月
今月のお気に入り201405
「TWO PLACES AT THE SAME TIME」
●Ray Parker Jr. and Raydio
来月来日予定のレイ・パーカー・ジュニア&レイディオ。
「ウーマン・ニーズ・ラブ」や「ゴースト・バスターズ」のビッグヒットが知られていますが、ディスコでよくかかっていたのは80年のこのアルバムに収録されている軽快なダンスナンバー「イッツ・タイム・トゥ・パーティー・ナウ」やインスト・ファンクナンバー「フォー・ゾーズ・フー・ライク・トゥ・グルーヴ」。
独特な色気のあるヴォーカリストとして、またリズム・カッティングの優れたギタリストとして、レイ・パーカー・ジュニアの二つの持ち味が発揮されたアルバムです。
2014年6月
今月のお気に入り201405
「XSCAPE」
●Michael Jackson
発売と同時に世界80ヶ国以上でトップ10入りし、50ヶ国以上でNo.1ヒット、ラジオでもベビー・チューンでオンエア中の「ラブ・ネバー・フェルト・ソー・グッド」。ポール・アンカと共作したこの曲はアルバムの1曲目を飾り、83年録音当時のマイケルのみずみずしさにあふれています。他の曲も、歌い踊るマイケルの姿が見えるよう。
急逝から今月で早や5年、生きていればこれらの曲が世に出る事もなかったかと思うと不思議な感じがします。
この夏にはジェイムズ・ブラウンの伝記映画「ゲット・オン・アップ」がアメリカで公開予定。どんなエピソードが語られるのでしょうか。日本での公開が楽しみです。
2014年7月
今月のお気に入り201405
「BOBO」
●Willie Bobo
地球の反対側ではブラジル・ワールドカップ開催中。日本は早々に敗退してしまいましたが、大会はこれからいよいよ佳境に入ります。南米大陸の盛り上がりにはやっぱりラテン!伝説的ラテン・パーカッショニスト、ウィリー・ボボ。79年のこのアルバムにはEW&Fのギタリスト、ローランド・バティスタも参加し、1曲目の「パロス」ではファンキーなギター・カッティングを披露。ソウル色を強めたラテン・フュージョンアルバムに仕上がっています。
2014年8月
今月のお気に入り201405
「THE BEST OF WILSON PICKETT」
●Wilson Pickett
「バックコーラスの歌姫たち」に続き、「金のメロディ〜マッスル・ショールズ」が公開され、今年は優れた音楽ドキュメンタリー映画の当たり年です。アラバマの片田舎のスタジオで生み出される「ファンキーでグリージー」なサウンド。多くのアーティストに愛された聖地でウィルソン・ピケットも「ダンス天国」、「ムスタング・サリー」等、主要なヒット曲を録音しています。このベスト・アルバムの曲の半数はマッスル・ショールズ・サウンドで、「ヘイ・ジュード」では当時スタジオで働いていたデュアン・オールマンのギターと熱い掛け合いを聴かせてくれます。
2014年9月
今月のお気に入り201409
「SECRET COMBINAT」
●Randy Crawford
例年になく早い秋の訪れに、ほっとするような寂しいような。そんな気分にランディ・クロフォードはぴったりです。夏の火照りをしっとりと落ち着かせてくれるこのアルバムは、81年の作品でプロデュースはトミー・リピューマ。ジェフ・ポーカロ、スティーブ・ルカサーのTOTOメンバーや、ロベン・フォードも参加しています。翌82年にはモントルー・ジャス・フェスティバルのライブ録音盤「カジノ・ライツ」もリリースされ、ランディは「ユア・プレシャス・ラブ」、「イマジン」の名演を残しています。
2014年10月
今月のお気に入り201409
「PORTRAIT OF THE ORIGINALS」
●The Originals
この秋は映画「ジャージー・ボーイズ」が公開され、コーラス・グループが再認識されそうです。モータウンを代表するコーラス・グループの一つ、オリジナルズ。70年のこのアルバムで歌われた「ザ・ベルズ」は、マーヴィン・ゲイのプロデュースによる名バラードで、ローラ・ニーロもカヴァーしています。他にフィフス・ディメンションのヒット曲「アクエリアス」や、ポール・アンカの「マイ・ウェイ」も収録され、コーラス・グループの魅力にたっぷり浸れるアルバムです。
2014年11月
今月のお気に入り201411
「LOVE MAGIC」
●L.T.D.
先日来ダンス規制の見直しが進み、音楽と踊りを心おきなく楽しめる大人の夜が戻ってきそうです。L.T.D.とはラブ・トゥギャザーネス・アンド・ディボーションの略。このアルバムはジェフリー・オズボーン脱退後の81年、プロデューサーにマイケル・ストークス、リード・ヴォーカルにレズリー・ウィルソンを迎えてパワー・アップ、キッキン・バックの大ヒットを生みました。カレンダーも残り少なく気忙しい季節、ファンク全開で乗り切りましょう!
2014年12月
今月のお気に入り201412
「SMOKEY & FRIENDS」
●Smokey Robinson
冴えた空気にイルミネーションが煌めく季節になりました。今年74才のスモーキー・ロビンソンがジャンルを超えて超一流のゲストを招き、素敵なセルフ・カバー・アルバムを作ってくれました。争いの絶えない人の世ですが、音楽という共通言語で全てをエレガントに包み込むスモーキーは、強くて優しい巨人のようです。どうか皆様が愛と平和に満ちて年の瀬を迎えられますように・・・
2015年1月
今月のお気に入り201412
「I GOT YOU ( I FEEL GOOD )」
●James Brown
今年はいよいよジェイムズ・ブラウンの映画「GET ON UP」がやってきます!!! アメリカやイギリスでは昨年8月に公開され、米版のDVDも今月発売予定ですが、やはり映画館の大きなスクリーンで、居合わせた観客皆で一緒にJBの世界を堪能したいものです。
65年のこのアルバムのタイトル曲「アイ・ガット・ユー(アイ・フィール・グッド)」は同年の映画「スキー・パーティー」の中でJBが歌い踊るシーンに使われています。そのあたりのエピソードも含め、5月の公開が待ち遠しくてなりません。
2015年2月
今月のお気に入り201412
「COMING BACK FOR MORE」
●William Bell
サザン・ソウルの大物シンガー・ソング・ライター、バラード命のウィリアム・ベルが3月に初来日のうれしいニュース。
男性ヴォーカルとしてはスタックス初のシングル「ユー・ドント・ミス・ユア・ウォーター』を61年に発表。オーティス・レディングやブッカー・T & ザ・MGズと共にメンフィス・サウンドの礎を築きました。その後マーキュリーに移籍し、77年のこのアルバムからは「トライン・トゥ・ラブ・ツー」がヒット。「ユー・ドント・ミス・ユア・ウォーター」も新録されています。
2015年3月
今月のお気に入り201503
「SWITCH」
●Switch
春の明るい日差しに、明るいファンクが聞きたくなりました。
演奏力とルックスを兼ね備えたバンドとして、ジャーメイン・ジャクソンに見出されたスウィッチ。ボビー&トミー・デバージ兄弟と、フィリップ・イングラムを中心として78年にこのアルバムでデビュー。モータウンを代表するファンク・バンドの一つになってゆきます。81年には エル・デバージら弟妹のグループ、デバージもデビュー。こちらも成功を収めています。
2015年4月
今月のお気に入り201504
「ON MY WAY」
●Gwen MacCrae
マイアミ・ソウルを代表する女性シンガー、グエン・マックレー。
T.K.レーベル時代の「ロッキン・チェア」のヒットで知られていますが、アトランティック移籍後、第2弾として82年に発表されたこのアルバムの「キープ・ザ・ファイア・バーニング」もダンス・ナンバーとして人気の高い曲です。
ハスキー・ヴォイスの魅力的はヴォーカルが、ネイト・ワッツら超一流ミュージシャン達によるサウンドを得て、タイトなファンクもよし、しっとりディープなバラードもよし、一枚で何度もおいしいアルバムに仕上がっています。
2015年5月
今月のお気に入り201505
「I NEED HELP」
●Bobby Byrd
今月30日、ついに「ジェームス・ブラウン〜最高の魂を持つ男」のロード・ショウが始まります。ここ吉祥寺でも「吉祥寺プラザ」での上映、「クアトロ・ラボ」でJBトリビュート・バーの期間限定オープン等、熱い期待が高まっています。
このアルバムはJBの盟友ボビー・バードの作品。今回の映画でJBの人生に果たしたボビーの重要な役割も描かれることでしょう。
13日発売の千円盤CD集「JB & FUNK 1000 BEST COLLECTION」にも含まれています。
2015年6月
今月のお気に入り201506
「B.B.KING LIVE IN COOK COUNTY JAIL」
●B.B.King
先日89歳で亡くなったB.B.キング。死因についての疑惑が取り沙汰されていますが、偉大な音楽のレジェンドを失ったことには変わりありません。
このアルバムは1970年、シカゴの刑務所で2,117人の受刑者を前に行われたライブ。刑務所のか中庭もシーザーズ・パレスもB.B.にとっては等しく重要なステージ。年間300回に達するライブを常に変わらぬ誠実さで勤め、私達を慰め、励まし続けてくれたB.B.キングに心からのスタンディング・オベーションを送ります。
2015年7月
今月のお気に入り201507
「GOOD HIGH」
●Brick
ジョージア州アトランタ出身の5人組ファンク・バンド、ブリック。76年のこのファースト・アルバムで彼らの最大のヒット曲「ダズ」が生まれました。 「ダズ(Dazz)」とはディスコとジャズを組み合わせた造語で、アルバム・ジャケットにも“the poulful disco-jazz sound of BRICK”とクレジットされ、新しいダンス音楽創造への意気込みに満ちています。90年代にはサンプリング・ソースとして若いリスナーにも知られるようになり、世代を超えて♪ダズ・ダズ・ディスコ・ジャズ♪
2015年8月
今月のお気に入り201508
「YOU FOOLED ME」
●Gray & Hanks
70年代後半から80年代にかけて、夏ともなれば海・山のリゾートのディスコで楽しんだ方も多いでしょう。そんな時代を彷彿とさせるこのアルバム。西海岸を中心にジェリー・バトラーやL.T.D.、タバレス等のソング・ライターとして活躍していたデュオ、グレイ&ハンクスのデビュー・アルバムです。花火に祭りにディスコ・イベントに、ダンシン・サマーといきたいですね!
2015年9月
今月のお気に入り201509
「WHAT YOU NEED」
●Side Effect
72年に結成された4人組ヴォーカル・グループ、サイド・エフェクト。クルセイダーズのウェイン・ヘンダーソンのプロデュースによる76年のこのアルバムは、ちょっと大人の雰囲気のクロス・オーヴァー・サウンド。秋が始まるこの季節にぴったりです。
冒頭の曲「オールウェイズ・ゼア」は後にインコグニートがカヴァーし、90年代アシッド・ジャズのヒットになりました。日本では2002年にmimiこと宮本典子がカヴァー、サイド・エフェクトはバック・コーラスで参加しています。
2015年10月
今月のお気に入り201510
「WALL To WALL」
●Johnnie Taylor
ジョニー・テイラーと言えば、スタックス時代の「フーズ・メイキン・ラブ」、コロンビア時代の「ディスコ・レディー」が代表的なヒット曲ですが、マラコ時代にも多くの佳作アルバムを発表し、充実した活動期だったといえるでしょう。
同レーベル移籍後2作目のこのアルバムでは86年らしい都会的なムードとサザンソウルの絶妙な融合が楽しめます。バラード・ナンバーは特におすすめ!
2015年11月
今月のお気に入り201511
「SWEET REPLIES」
●Honey Cone
モータウンを牽引してきたプロデューサー・チーム、H・D・Hが自ら興したホット・ワックス・レーベルから69年にデビューしたガールズ・グループ、ハニー・コーン。71年にリリースされた「ウォント・アズ」が同年6月12日付のビルボード・ヒット・チャートでローリング・ストーンズの「ブラウン・シュガー」を抑えて1位を獲得、この大ヒットを受けて制作されたのがこのアルバムです。リード・ヴォーカルのエドナ・ライトを中心に、軽快な生き生きサウンドが元気を運んでくれそうです。
2015年12月
今月のお気に入り201512
「SOUL CHRISTMAS」
●V.A.
一年があまりに早く過ぎ去って、夢を見ているようなので、夢のような顔ぶれのクリスマス・アルバムを聴きたくなりました。
68年、アトコ・レーベルから発売されたこのアルバムは、オーティス・レディングを始め、ソロモン・バーク、クラレンス・カーター、キング・カーティス等々、ソウルのエッセンスが凝縮された名盤。今年初来日を果たしたウィリアム・ベルの「エブリディ・ウィル・ビー・ライク・ア・ホリディ」も収録されています。
メリー・メリー・ソウル・クリスマス!!
2016年01月
今月のお気に入り201512
「MICKEY'S MONKEY」
●The Miracles
吉祥寺では年明け早々にディスコ・イベントが開かれ、楽しい踊り初めになりそうです。さる年にちなんで、ザ・ミラクルズの「ミッキーズ・モンキー」で盛り上がりましょう。
63年のこのアルバムは、モンキーやツイスト等、当時のはやりのステップで踊るためのダンス・ナンバーを集めて作られています。60年代のダンス・パーティー・青春ですね!
2016年02月
今月のお気に入り201512
「ICE CREAM CASTLE」
●The Time
昨年大ヒットしたマーク・ロンソンfeat.ブルーノ・マーズ「アップタウン・ファンク」は、ミネアポリス・ファンクの影響色濃い傑作でした。
ミネアポリスといえばプリンス・ファミリー、筆頭はモーリス・デイ率いるザ・タイム。84年のこのアルバムから「ジャングル・ラブ」、「ザ・バード」が映画「パープル・レイン」で使われヒット、代表作になりました。
初期にはジャム&ルイスが在籍し、ディアンジェロ&ザ・ヴァンガードでギタリストを務めるジェシー・ジョンソンも参加していたザ・タイム。現在はオリジナル・セブンという別名で活動しています。
2016年03月
今月のお気に入り201512
「AFRODISIAC」
●The Main Ingredient
今年のアカデミー賞は黒人のノミネートがなく、選考の人種的偏りが大きく取り沙汰されました。
ニューヨーク・ハーレム出身のコーラス・グループ、メイン・イングリーディエント。リード・ヴォーカルのキューバ・グッディングの息子は、96年のアカデミー助演男優賞を獲得したキューバ・グッディング・ジュニアです。
このアルバムは73年の作品。 スティーヴィ
ー・ワンダーの曲が6曲、アイズレー・ブラザーズの「ワーク・トゥー・ドゥー」も取り上げ、クロスオーヴァーなアレンジと爽やかなコーラス・ワークで聴かせてくれます。
2016年04月
今月のお気に入り201512
「MISTY BLUE」
●Dorothy Moore
ソウル・ナンバーとして知られている曲の中には、カントリーのカヴァーが結構ありますが、「ミスティ・ブルー」もその一つ。60年代にボブ・モンゴメリーによって作られたこの曲は、当初カントリー・シンガーがレコーディングしていましたが、76年にドロシー・ムーアがマラコ・レコードからリリースして大ヒット。サザン・ソウルの名曲として知られるようになりました。
その後もメアリー・J・ブライジやモニカ等、多くのシンガーに取り上げられています。
2016年05月
今月のお気に入り201512
「TIME WAITS FOR NO ONE」
●Mavis Staples
今年に入って音楽史上に残る大物アーティストの訃報が続いています。先月はプリンスが急逝、この世は紫の雨に煙りました。
他のアーティストへの楽曲提供も多かったプリンスがプロデュースを手掛けた一人がメイヴィス・ステイプルズ。89年のこのアルバムに続き、90年には「パープル・レイン」の続編にあたる映画「グラフィティ・ブリッジ」にジョージ・クリントンやザ・タイムと共に出演、サウンド・トラックで数曲を歌っています。
2016年06月
今月のお気に入り201606
「LIVE AT THE APOLLO」
●James Brown
今月18日、ドキュメンタリー映画「ミスター・ダイナマイト:ファンクの帝王ジェームス・ブラウン」が公開されます。昨年の伝記映画に続いてミック・ジャガーがプロデュース。貴重映像とゆかりの人へのインタビューで描かれるジェームズ・ブラウンの軌跡、ライブ・シーンも多そうです。予習・復習はやはりこの名盤で。アポロ・シアターでのライブ・アルバム第2弾、69年にリリースされた2枚組です。
2016年07月
今月のお気に入り201607
「JOURNEY TO THE LAND OF ...」
●Enchantment
七夕の頃は、都会では見えないけれど天の川がきれいな季節。エンチャントメントのアルバム・ジャケットを見ていると夏の夜空に浮かんでいるような気分になってきます。フローターズやアル・ハドソンらと共にデトロイト・ソウルの第二世代と称されたエンチャントメント。79年に発表された3枚目のこのアルバムはロードショー・レーベルのリイシューにともない、今年4月に世界初CD化されています。
2016年08月
今月のお気に入り201608
「A History Of NEW ORLEANS RHYTHM & BLUES, Vol.2」
●V.A.
暑さにパテ気味で食欲がわかない時は、スパイシーなガンボを食べて元気になりましょう。
ガンボと言えばニュー・オーリンズ。ジャズ発祥の地と言われ、さまざまな文化が混ざり合って醸し出されるニュー・オーリンズ・サウンドはまさにガンボの味わいです。
このアルバムには、アーニー・K・ドー「マザー・イン・ロー」やアート・ネヴィル「オール・ジーズ・シングス」等のアラン・トゥーサン作品や、リー・ドーシー、アール・キング等59年〜62年のヒット曲が収録されています。
2016年09月
今月のお気に入り201609
「I HOPE WE GET TO LOVE IN TIME」
●Marilyn McCoo & Billy Davis,Jr.
60年代後半に「ストーンド・ソウル・ピクニック」や「輝く星座」をヒットさせ、グラミー賞も受賞したフィフス・ディメンションから独立し、おしどりコンビとして活動を始めたマリリン・マックー&ビリー・ディビス・Jr。フィフス・ディメンション時代はポップス色が強い印象でしたが、彼ら自身のサウンドの確立を目指したこのファースト・アルバムを76年に発表。「星空のふたり」の大ヒットも生まれる素敵なソウル・デュエット・アルバムに仕上がっています。
2016年10月
今月のお気に入り201610
「SIR JOE QUARTERMAN & FREE SOUL」
●Sir Joe Quarterman & Free Soul
70年代前半に、六本木のソウル・エンバシーや新宿のゲットといったディスコで人気の高かったファンク・ナンバー「(アイ・ガット)ソー・マッチ・トラブル・イン・マイ・マインド」。この曲を含む彼らの唯一のアルバムは、73年の発売当時あまり売れなかったようですが、90年代にレア・グルーヴの傑作として再評価されてCD化もされ、2014年にはジョー・クオーターマンが初来日を果たしました。ジャケットや見開きのイラストもジョー・クオーターマン本人が描いています。
2016年11月
今月のお気に入り201611
「WHAT THE HELL IS THIS?」
●Johnny Guitar Watson
今日のアメリカは大統領選挙一色。どちらに転ぶにしてもあやしい雲行き。先が思いやられます。
我らがジョニー・ギター・ワトソンはこのアルバムの中で「アイ・ドント・ウォント・ビー・プレジデント」と歌います。世界中が俺に投票しても、大統領なんてまっぴらだと。そう、粋なハットのコスチュームはステージこそがふさわしい。
今年は没後20年。5月にはロサンゼルスで追悼チャリティ・コンサートがおこなわれました。
2016年12月
今月のお気に入り201612
「CHRISTMAS IS 4 EVER」
●Bootsy Collins
今年もあっという間に最後の月となりました。
この一年でたくさんのアーティスト達が星になり、天上ではさぞかし豪華なセッションが繰り広げられていることでしょう。
片やファンク・スターから地上にやってきたブーツィー・コリンズは、まだまだ地上人にファンクを広め続けてくれるはず。スノードームの中でごきげんなブーツィーと一緒に、メリー・クリスマス&ア・ハッピー・ニュー・イヤー☆

2017年01月
今月のお気に入り201701
「THE FUNKY BROADWAY」
●Dyke & The Blazers
一番かっこいいソウル・ダンスは?と聞かれたら、やっぱり「ファンキー・ブロードウェイ」。
ウィルソン・ピケットのヒットで知られていますが、オリジナルはダイク&ザ・ブレイカーズ。67年にリリースされました。
この頃のソウル・ダンス・ナンバーは、踊り方の指示を歌詞にしているものが多いのですが、この曲も”ウエストを揺り動かして…、頭をシェイク…”と、ダイクがワイルドにリードしてくれます。

2017年02月
今月のお気に入り201702
「THE LONELY ONE」
●Terry Huff and Special Delivery
ソウル・シンガーには魅力的なファルセットの持ち主が少なくありませんが、テリー・ハフもその一人。ヴォーカルとしてもソング・ライターとしても優れていましたが、難のある性格でアルバム完成時にはグループは解散、不遇な生涯を送ったようです。
唯一残された76年のこのアルバムには彼の才能が凝縮し、70年代スウィート・ソウルの傑作として知られるようになりました。

2017年03月
今月のお気に入り201703
「JACKSON SISTERS」
●Jacson Sisers
76年の発売当時はあまり注目されずに終わったのに、90年代フリー・ソウル・ムーブメントで一躍脚光を浴びたのがジャクソン・シスターズ。
アルバムはこの一枚だけですが、一時は中古盤市場で高値がつく幻のレア盤でした。現在ではCD化もされて、70年代ソウルの定番の一枚に数えられています。
ちなみに、マイケル・ジャクソン一家とは全く別の姉妹グループです。

2017年04月
今月のお気に入り201704
「OUTLAW」
●War
ジャズやロック、ラテンの要素も取り込み、自由でどこか泥臭さも感じるバンド
・サウンドが魅力のウォー。70年代のアメリカ西海岸を代表するファンク・バンドの一つです。5月の来日も決定。今から楽しみにしているファンも多いことでしょう。
82年のこのアルバムは8枚目。ディスコ・ヒットになった「ユー・ガット・ザ・パワー」、陽気でトロピカルな「ジャスト・ビコーズ」等、春のウキウキ感倍増間違いなしです。

2017年05月
今月のお気に入り201705
『IF THIS IS HEAVEN」
●Ann Peebles
スタックスと並んでメンフィス・ソウルを代表するレーベル、ハイ・レコードの歌姫アン・ピーブルズ。70年代「アイ・キャント・スタンド・ザ・レイン」等のヒット曲を次々に発表し、アル・グリーンと共に看板スターとして活躍。このアルバムは77年の作品です。
ソング・ライターでもある夫のドン・ブライアントは昨年、リズム・セクションのホッジズ・ブラザーズもスペンサー・ウィギンスと共に先日来日しています。
アン・ピープルズの奇跡の来日公演はあるのでしょうか?

2017年06月
今月のお気に入り201706
『CROWN HEIGHTS AFFAIR」
●Crown Heights Affair
みずみずしい新緑に草木もぐんぐん育つ季節には、若く勢いのあるバンド・サウンドがぴったり。17〜22歳の8人の若者達、クラウン・ハイツ・アフェアの74年のデビュー・アルバムです。翌75年にはDe-Liteレーベルに遺跡、次々とディスコ・ヒットを飛ばして70年代のニューヨーク・ディスコの人気グループに成長してゆきました。
De-Lite時代の作品は昨年暮れから日本盤CD化されています。

2017年07月
今月のお気に入り201707
『FUNKED UP」
●Creme D' Cocoa
夏に向かって蒸し暑くなってくると、気持ちのいいファンクで活を入れたくなります。
元ブッダ・レコードR&B部門のチーフ・プロデューサー・コンダクターとしてグラディス・ナイト&ザ・ピップスの「夜汽車よ!ジョージアへ…」を手がけたトニー・カミロがセシル・ベイカーとのコンビでプロデュースした78年のアルバム。ジャズ・フュージョンで人気の高い名手スティーブ・ガッドやバリー・マイルズが参加、ファンクよし、バラードよしの一枚です。

2017年08月
今月のお気に入り201708
『BUMPS & BRUISES」
●Joe Tex
先頃公開された映画「約束の地、メンフィス〜テイク・ミー・トゥー・ザ・リバー〜」では、サザン・ソウルのレジェンド達が次世代を担う若いラッパー達との共演を通じて、大切な何かを伝えようとする本気の姿に打たれました。コミカルなナレーション・スタイルでラップの原型ともされる「アイ・ガッチャ」を大ヒットさせ、ミスター・ラッパーと呼ばれたサザン・ソウル・シンガーがジョー・テックス。82年に他界した彼が、もし生きていたら・・・。
ミリオン・セラーの「バンプ・ノー・モア」を含む77年のアルバムです。

2017年09月
今月のお気に入り201709
「PORTRAIT OF THE
       ORIGINALS」
●The Originals
秋の気配にコーラス・グループを聴きたくなりました。どちらかというとポップで商業的な印象が強いモータウンですが、正統派のコーラス・ワークが持味のオリジナルズを忘れてはいけません。
一曲「ザ・ベルズ」。69年のヒット曲「ベイビー・アイム・フォー・リアル」に続く、マーヴィン・ゲイプロデュースの美しいバラードです。ジャケットのアート・ワークもシックな70年のアルバムです。

2017年10月
今月のお気に入り201710
「8TH DAY」
●8th Day
元モータウンのヒット・メーカー、ホランド・ドジャー・ホランド(H-D-H)が設立したレーベル、インヴィクタス/ホットワックスからは多くのヒット曲が生まれましたが、エイス・デイもその一つ。インヴィクタスから71年にリリースされた1枚目のアルバム は、コレクターズ・アイテムとして入手困難な時期もあったようですが、86年、2曲を入れ替えた日本編集盤としてヴィヴィド・サウンド・コーポレーション から発売されました。

2017年11月
今月のお気に入り201711
「PAST, PRESENT AND THE FUTURES」
●THE FUTURES
次第に秋が深まり、街には早くもイルミネーションがきらめき始め、パーティー・シーズンの到来はもうすぐです。
こんな時期に聴きたくなるのはフィラデルフィア・ソウル。5人組のヴォーカル・グループ、ザ・フューチャーズの78年のアルバムはどうでしょう。華やかで都会的なフィリー・サウンドに身を委ねて、甘く軽やかなひとときを楽しみましょう。

2017年12月
今月のお気に入り201712
「THE BEST OF SOLOMON BURKE」
●Solomon Burke
6才から教会で歌い始め、12才で自分の教会を持ち、"驚異の少年説教師"として活動していたソロモン・パーク。晩年は堂々たる体躯で、従者を従えて大きな椅子に座って歌う姿はまさしくキング・ソロモンでした。
このアルバムには「クライ・トゥ・ミー」等、61〜64年の代表作が収められています。ソロモン牧師のミサをイメージしつつ、メリー・クリスマス&ア・ハッピー・ニュー・イヤー♪

2018年01月
今月のお気に入り201801
「UNCLE JAM WANTS YOU」
●Funkadelic
「ファンクが地球を救う」のコンセプトのもと、日本にもたびたびやって来て 熱いP・ファンク集会を繰り広げる天才ジョージ・クリントン。聴く者をめでたい気分にさせてくれるこのアルバムは、78年の「ワン・ネイション・アン ダー・ア・グルーヴ」に続く79年の作品です。
そういえば今年は戌(犬)年。82年の「アトミック・ドッグ」も聴きたいですね!

2018年02月
今月のお気に入り201802
「 IT'S OUR THING」
●The Isley Brothers
アイズレー・ブラザーズというと「サマー・ブリーズ」や「ビトウィーン・ザ・シーツ」等のバラードが有名ですが、初期には「シャウト」、「ツイスト&シャウト」等、ゴスペルやロッックン・ロール・スタイルの熱いナンバーが魅力で、ジミ・ヘンドリックスがギターを弾いていた時期もありました。
69年のこのアルバムからは「イッツ・ユア・シング」がR&Bチャート1位を記録。まだ学生だった弟、アーニー(ギター)とマーヴィン(ベース)も参加しています。

2018年03月
今月のお気に入り201803
「STRAIGHT FROM THE HEART」
●Patrice Rushen
寒かった冬もようやく終わりかけ、陽射しも心も日毎 に明るくなるこんな季節には、パトリース・ラッシェンの軽やかなサウンドがよく似合います。
作詞・作曲・アレンジもこなし、ヴォーカリストでキーボード奏者、セッション・ミュージシャンとしても活躍し、日本にもたびたび来日しています。
このアルバムは82年の代表作。ヒット曲「フォゲット・ミー・ノット」 やR・ケリーのサンプリング・ソースとしても有名な「リマインド・ミー」等が収録されています。

2018年04月
今月のお気に入り201804
「STREET SONGS」
●Rick James
常識の枠におさまらず、"パンク・ファンク"と言われたリック・ジェームス。素行の悪さも有名で、"破天荒"、"異端"の形容詞は彼のためにあるようなもの。文字通りパンクな生涯を送りましたが、残した音楽は今も先鋭さを失わず、刺激的であり続けています。ファンクの名作の一枚に数えたい、'81年の最高傑作アルバムです。

2018年05月
今月のお気に入り201805
「SWEET SOUL」
●The Kelly Brothers
マッスル・ショールズのフェイム・スタジオとメンフィスのハイ・スタジオで 録音、エクセロ・レーベルから発売と3拍子揃ったら、サザン・ソウル好きは見過ごすことはできません。
もともと「ザ・キングピンズ」としてゴスペルで成功していたケリー3兄弟が、さらなる新天地を求めてグループ名も新たに68年にリリース。根強い人気のアルバムで、バイナリ・リイシューもされています。

2018年06月
今月のお気に入り201805
NEVLLE - IZATION
●Neville Brothers
6月、日本では梅雨入りですが、地球の裏通りのニュー・オーリンズでもこの時期は雨が多くて蒸し暑く、ハリケーンの季節も始まります。
80年代、最高のライブ・バンドと評判の高かったネヴィル・ブラザーズ。地元のティピチィーナズ・クラブで82年に録音されたこのライヴ・アルバムは84年リリース。
86年には初来日を果たし、その後も数回来日してニュー・オーリンズ満喫のステージを観せてくれました。

2018年07月
今月のお気に入り201805
「EBONEE WEBB」
●Ebonee Webb
メンフィス出身のエボニー・ウェッグは、70年代後半に赤坂「ムゲン」に出演したり、民謡をディスコ・アレンジした曲を発表する等日本と縁が深く、81年のこのアルバムには謝辞がクレジットされています。
バーケイズも手がけたアレン・ジョーンズのプロデュースによるこの作品は、エレクトロからポップ、ファンクまで多彩で軽快なダンス・ナンバーが満載。梅雨明けはこれで決まり!

2018年08月
今月のお気に入り20180
「KING CURTIS LIVE AT
      FILLMORE WEST」
●King Curtis
記録的な今年の暑さはまだまだ続きそう。こんな時こそ熱いライヴで夏バテを吹き飛ばしましょう!
サン・フランシスコのロックの殿堂で録音された71年の名作。オープニングの「メンフィス・ソウル・シチュー」でボルテージもMAXです。
同じ日に行われたアレサ・フランクリンのライヴでもバックを務めています。

2018年09月
今月のお気に入り201809
「STRONGER THAN PRIDE」
●Sade
84年のデビュー・アルバム「ダイヤモンド・ライフ」で多くの人がシャーデーの虜になりました。特にシングル・カットされた「スムース・オペレーター」は、社会現象といっていい程オンエアされ続けました。
このアルバムは88年にリリースされた3枚目。晩夏のビーチにたたずむエキゾチックな美女のイメージでしょうか。
これ以降、アルバムの発表は感覚が空きますが、現在も新たなレコーディング中との情報もあり、息の長い活動を続けています。

2018年10月
今月のお気に入り201810
SOUL CITY U.S.A.
●Spencer Wiggins
暑過ぎた夏も終わり、キンモクセイの香り漂う秋、サザン・ソウルの ディープな世界に浸るのによい季節です。
メンフィスで活動し、大きなヒットには恵まれなかったものの実力は高く評価され、熱心なファンも多いスペンサー・ ウィギンス。昨年、奇跡の来日公演を果たしました。
このアルバムは77年ゴールド・ワックス・レーベルから発売され、ヴィヴィド・サウンド・レコードによ る日本盤も出ています。

2018年11月
今月のお気に入り201811
FRANK HOOKER AND
POSITIVE PEOPLE
●Frank Hooker & Positive People
80年代初期は様々な要素をクロスオーヴァーに取り入れて、新しいサウンドを意欲的に発信する優れたバンドが多く生まれました。
ニューヨークのフランク・フッカー&ポジティブ・ピープルも、ファンク・ナンバー「ウー・シュガ・ウガ」で当時新しいスタイルだったラップを取り入れています。
イントルーダーズの名曲「アイ・ワナ・ノウ・ユア・ネーム」のカヴァーもよく、ダンス・ナンバーもバラードも楽しめる81年のアルバムです。

2018年12月
今月のお気に入り201812
KEEP ON BUMPIN' & MASTER PLAN
●The Kay - Gees
スポーツ選手の活動や今までの経験が通用しない猛暑や大雨等、良い事も悪い事もいろいろあった一年でしたが、最後は元気に踊って年を越したいものです。
クール&ザ・ギャングのロバート“クール”・ベル&ロナルド・ベル兄弟の末弟ケヴィン・ベルを中心としたケイ・ジーズの74年のデビュー・アルバム。2017年には日本初CD化されました。
NYファンクで今年の締めといたします。
よいお年を!

2019年01月
今月のお気に入り201901
KEEP ON BUMPIN' & MASTER PLAN
●The Kay - Gees
60年の長きにわたり、シカゴ・ソウル・シーンで活躍してきたインプレッションズ。ツ アーからの引退を間近に控え、昨年の初来日にして最後のライブを目に焼き付けたファンも多かったことでしょう。
今年は元号も変わります。慣れ親しんだもの への感謝と、新しく開かれる扉への期待。ラヴィング・パワー全開で新年の始まりです。

2019年02月
今月のお気に入り201902
IT'S YOUR NIGHT
●James Ingram
クインシー・ジョーンズに見出され、83年のこのアルバムでソロ・デビューしたのが31歳。遅咲きのジェームス・イングラムでしたが、マイケル・マクドナルドとのデュエット曲「セ・モ・ビー・ゼア」でグラミー賞を受賞。パティ・オースチンとのデュエット曲も大ヒットし、ブラック・コンテンポラリーを代表するボーカリストの一人となりました。
先月末に訃報が届きましたが、80年代のきらびやかなサウンドと共に、その輝きが消えることはありません。

2019年03月
今月のお気に入り201903
AFFAIRS OF THE HEART
●Jody Watrey
高校生でソウル・トレインに出演したジョディ・ワトリーも今年は年女。ジャラマーの一員からソロ・デビュー、91年のこのアルバムはソロとしての3年目。軽快なダンス・ナンバーが春の気分にぴったりです。
このところ毎年のように来日していますが、今年はどうでしょう。
還暦を迎えても、相変わらずスタイリッシュで華やかなステージで楽しませてくれるでしょうね!

2019年04月
今月のお気に入り201904
YOU'RE THE MAN
●Marvin Gaye
新元号の発表があった4月1日は、ソウルファンにとってマーヴィン・ゲイの命日という大事な日。
あれから35年、2枚組のアルバムがリリースされました。
69年〜72年に録音され、シングルやベスト盤等でばらばらに発表された音源をまとめたもので、71年「ホワッツ・ゴーイング・オン」の間のマーヴィンに出会える興味深い作品になりました。
今月中にCDも発売予定です。

2019年05月
今月のお気に入り201905
RAY, GOODMAN & BROWN
●Ray, Goodman & Brown
新しい元号「令和」。字画といい、響きといい、何てエレガントなのでしょう。
英訳がビューティフル・ハーモニーとくれば、レイ・グッドマン&ブラウンを聴くしかありません。
79年、モーメンツ時代のレコード会社から移籍し、グループ名も変えて新しいスタートを切ったこのアルバムは、「スペシャル・レディ」の大ヒットを生み、代表作になりました。成熟したハーモニーで新しい時代の幕開けです。

2019年06月
今月のお気に入り201906
BREAKIN' THE FUNK
●Faze - O
ファンクの聖地オハイオを代表するバンド、オハイオ・プレイヤーズの前座を務め、77年、全面的なバック・アップを受けてアルバム・デビューしたフェイズ-オー。
当初はオハイオ・プレイヤーズ色が強かったのですが、79年のこの3枚目では自分達の持ち味を発揮、ランディ・ブレッカーも参加して爽快なファンク・アルバムなな仕上がりました。

2019年07月
今月のお気に入り201907
CONCERT IN BLUES
●Willie Hutch
現在発売中のギター・マガジン7月号は70年代インスト・ソウル特集。デヴィッド・T・ウォーカーを中心に、ソウル・ギタリスト達が紹介されています。その中の一人、ウィリー・ハッチの76年のアルバム。どちらかというと縁の下の力持ちとして知られた存在でしたが、こうした企画を機に、再評価されれば幸いです。

2019年08月
今月のお気に入り201908
LADIES CHOICE
●Shotgun
70年代半ばから活動していた実力派ポップ・ファンク・バンド、ショットガンですが、日本には6枚目のこのアルバムで82年に登場。80年代の夏のイメージそのもののジャケットは日本盤オリジナルで、山下達郎のアルバムも手がけ、永井博やわたせせいぞうと共に一世を風靡したイラストレーター、鈴木英人によるものです。

2019年09月
今月のお気に入り201909
THE CLARKE / DUKE PROJECT
●Stanley Clarke / George Duke
かつて田園調布にあった田園コロシアムの「ライブ・アンダー・ザ・スカイ」を始め、70年代〜80年代の夏から秋にかけて各地で野外ジャズ・フェスが盛んに開催され、内外の一流ミュージシャン達が集まり毎年楽しみに通ったものです。スタンリー・クラークとジョージ・デュークもたびたび来日し、81年のアルバム発表後にはこのプロジェクトでのステージも披露してくれました。

2019年10月
今月のお気に入り201910
GENESIS
●The Soul Children
まだまだ残暑が続きますが、月も半ばを過ぎる頃には気温も下がり、渋いソウルをじっくり聴きたい季節がやってきます。
アイザック・ヘイズとデビッド・ポーターによって集められた実力派グループ、ソウル・チルドレン。メンバーの一人は84年「タクシー」のヒットで知られるJ ・ブラックフットです。
72年のこのアルバムは、2017年の「STAX60周年記念」名盤再発シリーズにもラインナップされています。

2019年11月
今月のお気に入り201911
MASTERPIECE
●Art Work
ひたむきで泥臭いファイトに日本中が夢中になったラグビーW杯も終わり、気がつけばすっかり秋本番です。
深まる季節に洗練と落ち着きを与えてくれるのは、アートワークの92年のアルバム。ワシントンD.Cを拠点に活動したアル・ジョンソンのプロデュースによる一枚で、A面はメロウなラブ・バラード、B面は軽快なダンス・ナンバーを楽しめます。

2019年12月
今月のお気に入り201912
RICH LOVE , POOR LOVE
●Syreeta & G.C.Cameron
いよいよ寒さも増してきて、人(肌?)恋しい夜には、温かい飲み物と素敵なデュエット・アルバムでぬくぬくと過ごしましょう。スピナーズを脱退してソロ・シンガーとして活躍中のG.C.キャメロンと、スティービー・ワンダーの元妻、歌姫シリータが紡ぎ出す大人の愛の物語。77年の作品で、ロマンチックな年の暮れです。

2020年01月
今月のお気に入り202001

EVERYTHING IS COOL
●T-Connection

新しい元号、令和で迎える最初の年明け、オリンピック・イヤーの今年は吉祥寺にも聖火がやってきて、お店の近くを走ります。せっかくですから楽しみましょう。
まずは最高にいかしたファンク・バンド、セオフィラスとカークのコークレイ兄弟を中心に、バハマのナッソーで結成されたT-コネクションの81年のアルバムで景気づけです。


2020年02月
今月のお気に入り202002

I WANNA GET DOWN
●C. L. Blast

隠れた名盤は世に数々ありますが、このアルバムもその一枚といえるでしょう。50〜60年代から本名クラレンス・ルイスとして活躍し、ソングライターとしてもリー・ドーシーやエルモア・ジェイムス等を手がけ、マラコ・レコードでも活躍した実力派のベテランが、ステージ名C. L. ブラストとして80年に発表したアルバム。サザン・ソウル・ファン必聴の作品です。


2020年03月
今月のお気に入り202003

MAGIC
●Tom Browne

記録的な暖冬で楽に春を迎えられると思いきや、あやしげなウィルスで世の中がややこしくなってきました。こんな時こそファンキーで良質な音楽で明るくいきましょう!
NYはクィーンズ生まれのトランペッター、大学で物理学を専攻し、パイロットでもある多才なトム・ブラウン。名曲「ファンキン・フォー・ジャマイカ」の大ヒットの翌年、81年にリリースされた3枚目のアルバムです。


2020年04月
今月のお気に入り202004

PLANETARY INVASION
●Midnight Star

このところ仕事はテレワーク、ワイブやイベントも軒並み中止で外出も控え、運動不足でなまっていませんか?家で出来るエクササイズのお供にミッドナイト・スターはいかがでしょう。
身体を動かさずにはいられない、ノリノリのエレクトリック・ファンク。84年リリースの5枚目のアルバムです。


2020年05月
今月のお気に入り202005

REFLECTIONS
●Gil Scott - Heron

日本中、世界中でまだまだ続くステイ・ホーム。否応なく内省的に過ごさざるを得ない時間にギル・スコット・ヘロンはぴったりとはまります。ジャズとして聴くもよし、「黒いディラン」と言われた詩人の魂を味わうもよし。81年のこのアルバムでは、ビル・ウィザーズやマービン・ゲイの曲も取り上げられています。


2020年06月
今月のお気に入り202006

NIGHTBIRDS
●Labelle

毎年1月、カリブ海ではソウル・トレイン・クルーズが行われ、レジェンド・ソウル・ライブ三昧の一週間が繰り広げられます。来年はパティ・ラベルも出演予定と聞きました。
実力派グループ、ラベルの74年のこのアルバムは、世界的大ヒットとなった「レディ・マーマレード」を含む出世作。後にソロとなり、ソウル・ディーヴァとして活躍を続けるパティ・ラベル。コロナ禍が落ち着き、クルーズが無事開催される事を祈りつつ・・・


2020年07月
今月のお気に入り202007

THE LIVING WORLD / WATTSTAX 2
●V.A.

アメリカから世界各国に広がる「ブラック・ライヴズ・マター」。関連するドキュメンタリー映画も公開中です。
繰り返されるレイシズム。1972年夏、L.A.では、65年のワッツ暴動を経て「ワッツタックス・コンサート」が開催され、翌73年映画化。ライブ・アルバムもリリースされました。
このアルバムはVol.2で、音楽以外にジェシー・ジャクソンのスピーチや、リチャード・プライヤーのトークが収録されています。


2020年08月
今月のお気に入り202008

LET'S GET IT ON
●Ken Boothe

今年の夏は旅もできず、夏空もビーチも遠くなりそうですが、せめて音楽だけでもレゲエで南国気分を楽しみたいものです。
60年代から現在まで半世紀以上活動を続けるケン・ブース。75年のこのアルバムでは、マーヴィン・ゲイの「レッツ・ゲット・イット・オン」を始め、当時のヒット曲を意欲的に取り上げています。


2020年09月
今月のお気に入り202008

MOTORTOWN REVUE LIVE
●V.A.

この秋最初の楽しみといえば、9月18日公開のドキュメンタリー映画「メイキング・オブ・モータウン」。創設者ベリー・ゴーディー・Jrが自ら語るモータウンの歴史やエピソード。時代背景や名曲制作の舞台裏等、どんな話を聞かせてくれるでしょうか。60年代には「モータウン・レビュー」として各地をツアー、日本やヨーロッパでも公演があり、このアルバムは69年にリリースされました。


2020年10月
今月のお気に入り202010

EXPLOSION !
●Betty Wright

長雨の9月は過ぎ、爽やかな秋晴れと中秋の名月で10月が始まりました。
マイアミ・ソウルの女王、ベティ・ライトの76年のこのアルバムは、ヒット曲こそ含まれませんが、ゴスペル・ファンクの骨太さとマイアミの軽快さ、明るさを兼ね備えた魅力あふれる一枚です。
リトル・ビーバーやティミー・トーマス、ラティモアも参加しています。


2020年11月
今月のお気に入り202011

MONKEY TIME
●Major Lance

例えば晩秋、イチョウ並木を歩きながらハミングするなら「Um、Um、Um、Um、Um、Um」のフレーズ。シカゴで生まれ育ったメジャー・ランスはカーティス・メィフィールドと高校の同級生。このアルバムの曲もカーティスによるものです。
タイトルは同じですが、元々のオリジナル「モンキー・タイム」とは別物で、60年代の曲を集めて83年にリリースされたコンピュレーションです。


2020年12月
今月のお気に入り202012

THAT SPECIAL TIME OF YEAR
●Gladys Knight & The Pips

パンデミックに翻弄された年も最後の月になりました。先が見えない期間、何を考え、どう過ごすか。多くの気づきや学びもありました。
離れて暮らす家族や友と、思うようには会えないけれど、お互い笑顔で無事に過ごせますように、子供達にサンタさんが来てくれますように・・・。
1982年のアルバムでグラディスの祈りをお届けします。


2021年01月
今月のお気に入り202101

LIVE AT THE HARLEM SQUARE CLUB 1963」
●Sam Cooke

いつも新しい年はワクワク気分で迎えるのですが、今年は勝手が違います。配信はあっても、ソウル・ミュージシャンの来日は当分無理そうです。
どのみち本物のライブがかなわないなら、いっそ時間と空間を超えて19-63年のマイアミへ。ハーレム・スクエアでサム・クックのライブが始まります。熱いシャウトでソウル・チャージを満タンにいたしましょう!


2021年02月
今月のお気に入り202102

EARTH WIND AND FIRE
●Earth, Wind & Fire

アーティストにとってファースト・アルバムは特別な一枚。誰にも先が見えない中、その時持てる全てのエネルギーが注がれます。
EW&Fも70年のデビュー時には、その後50年以上も続けられるとは思っていなかったでしょう。当店も30周年、同じ時代を生きている事実に感謝しつつ、お互い長く現役を続けたいものです。


2021年03月
今月のお気に入り202103

TRAMMPS
●Trammps

まだまだ多くの制限は続きそうですが、春の日差しに誘われて明るい曲を楽しみたくなりました。
70年代のフィラデルフィアを代表するグループの一つ、トランプス。72年の「ジング・ウエント・ザ・ストリングス・オブ・マイ・ハート」等、シングルヒットを重ねた後、75年にこのデビュー・アルバムをリリースしました。軽快なサウンドにダイナミックなボーカル。フィリー・ソウルの魅力がたっぷり詰まった一枚です。


2021年04月
今月のお気に入り202104

BE THANKFUL FOR WHAT YOU GOT
●William Devaughn

90年代のクラブ・シーンでは、60〜70年代の曲が再評価されてカヴァーやサンプリングにも使われ、埋もれた名曲に新たな光が当てられました。ウィリアム・デヴォーンのこのアルバムもそんな流れの中で93年、日本で復刻されたものです。
オリジナルは74年、ジョン・ディヴィスのプロデュースでバックはMFSB。初夏の薫風のように心地よいアルバムです。


2021年05月
今月のお気に入り202105

RADIO M.U.S.C. MAN
●Womack & Womack

2年続きの巣ごもりGW。この1年、家族と過ごす時間が増えた方は多いでしょう。ソウルやゴスペルはファミリーで活動するアーティストが多いのですが、ウーマック&ウーマックの夫婦デュオも忘れてはいけません。
85年のこのアルバムにも兄のボビーを始め、何故か前妻のメアリー・ウエルズまで!ウーマック・ファミリーが総出で参加しています。


2021年06月
今月のお気に入り202106

FAITH HOPE & CHARITY
●Faith Hope & Charity

レコード・コレクションの楽しみの一つ、アート・ワーク。魅力的なジャケットには思わず手がのびてしまいます。
マービン・ゲイのアルバムでよく知られるアーニー・バーンズが手がけるのは、フロリダ出身のボーカル・グループ「フェイス・ホープ&チャリティー」78年のアルバム。プロデューサーはヴァン・マッコイ。こんなディスコに繰り出して、思いっきり盛り上がりたい今日この頃です。


2021年07月
今月のお気に入り202107

GOT MY HEAD ON STRAIGHT
●Billy Paul

時代もジャンルも超えて誰もが口ずさめる名曲。ビリー・ポールの72年の代表作「ミー・アンド・ミセス・ジョーンズ」はまさにそんな一曲です。
その後それを超えるヒットは生まれなかったものの、ジャジーなボーカルとフィリー・サウンドに社会的メッセージを織り込み、フィリー・ソウルの立役者として長く活躍しました。
"Jully,Jully,July〜"と歌う一曲目から始まるこのアルバムは、75年の作品です。


2021年08月
今月のお気に入り202108

I NEVER LOVED A MAN THE WAY I LOVE YOU
●Aretha Franklin

映画「アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン」が公開され、ドラマ「ジーニアス:アレサ」も配信、ジェニファー・ハドソン主演の伝記映画「リスペクト」も8月全米公開予定と、さながら?アレサ・フランクリン祭り?のこの夏。長年聴きなれた曲も、あらためて背景を知って聴き直し、出会い直し、味わい直しています。


2021年09月
今月のお気に入り202109

THE 5th DIMENSION'S GREATEST HITS
●The Fifth Dimension

ソウルのフェスティバルというと1972年の「ワッツタックス」は広く知られていますが、先日公開が始まった映画「サマー・オブ・ソウル」は1969年ハーレムで開催されたもので、スライ&ザ・ファミリーストーンやグラディス・ナイト&ザ・ピップス、ステイプル・シンガーズ等と共に、ポップスファンにも親しまれていたフィフス・ディメンションも出演し、彩を添えています。


2021年10月
今月のお気に入り202110

THE TEMPTATION WISH I WOULD RAIN
●The Temptations

公開中の映画「サマー・オブ・ソウル」は、座席数制限中とはいえ売り切れも続出するヒットとなっています。
テンプテーションを脱退してソロになったばかりのデヴィッド・ラフィンにとっても、大きな舞台だったでしょう。
このアルバムはその前年の68年、ノーマン・ホイットフィールドのプロデュースで「雨に願いを(アイ・ウィッシュ・イット・ウッド・レイン)」がヒット、「CINDY」も収録されています。


2021年11月
今月のお気に入り202110

CHECK ME OUT IF YOU DON'T KNOW ME BY NOW
●Lyn Collins

1971年〜70年代中頃まで、ジェームズ・ブラウンのもとでボビー・バードと共に活躍したリン・コリンズ。"女伝道師"としてJBショーを盛り上げました。
JBが創設したピープルレーベルから、「シンク(アバウト・イット)」に続く2枚目として75年にリリースされたこのアルバムからは、「ロック・ミー・アゲイン・アンド・アゲイン〜」がヒットしましたが、「ミスター・ビッグ・スタッフ」を始め、カバー曲も聴き応え十分です。


2021年12月
今月のお気に入り202112

SAVE THE CHILDREN
●Intruders

10年後に振り返った時、2021年はどんな意味を持ち、どのように位置づけられているのか。奇妙な過ごし方を強いられた一年が暮れようとしています。
不安定な状況にあっても、音楽は常に心をなぐさめ、精神を整えてくれるものです。
このアルバムは73年のイントゥルーダーズ。当時既にフィラデルフィアのベテラン・グループで、安定感が光ります。
音楽の恵みにあらためて感謝しつつ、よいお年を!!


2022年01月
今月のお気に入り

THE CHANGING OF THE GARD
●Stargard

2022年の幕明けは、華やかな美貌と実力を兼ね備えた女性トリオ、スターガード。三作目となる79年のこのアルバムは、当時世界の音楽シーンを席巻していたEW&Fのヴァーディン・ホワイトがプロデュース。才能と勢い、いい波に乗っている者同志ならではのポジティブなエネルギーに満ちた傑作です。


2022年02月
今月のお気に入り

THE RIP OFF
● Laura Lee

なかなか先行きが見通せず不安定な世の中、今までの慣習や価値観の見通しがせまられています。
70年代のウーマン・リプも、固定観念を打ち破り、女性の自立を実現する運動でした。
そんな時代に連動して、力強くメッセージを歌ったローラ・リー。このアルバムは70年代のホットワックスレーベルから曲を集めたコンピュレーション。混迷する世界を支えているのは、いつだって女性の生命力なのです。


2022年03月
今月のお気に入り

CONVERSATION PEACE
●Stevie Wonder

ジャンルを超えて広く大衆に愛されるスティービー・ワンダー。ポップ・ナンバーや美しい愛の歌と共に、政治的なメッセージ・ソングも多く、一貫して愛と平和、連隊を訴え続けています。
ずい分以前に読んだインタビュー記事に、「ヴァージン・レコードの創設者、リチャード・ブラウンこと世界中を旅するうちに、多くの社会的な問題に気付かされた」といった内容があったと記憶しています。
現在世界が直面している事態は彼の心にどのように映っているのか・・・権力者達にこそ、ぜひ聞いてほしい一曲です。


2022年04月
今月のお気に入り

HOT BOX
●Fatback

ニューヨークのファンクバンドは数々あれど、泥臭い下町をイメージさせるサウンドで根強い人気なのがファットバック。ビル・カーティスを中心に、メンバーを入れ替えながら70年代からコンスタントにアルバムを出し続けました。
75年の「ドゥ・ザ・バス・ストップ」で、そのステップと共に日本でも広く知られるように。このアルバムは80年の13枚目。「バックストローキング」、「ゴッタ・ゲット・マイ・ハンズ・オン・サム(マネー)」が収録されてます。


2022年05月
今月のお気に入り

RISE SLEEPING BEAUTY
●Lenny Williams

50年以上にわたって活動を続けるタワー・オブ・パワー。歴代のヴォーカリストの中で最も人気が高いのがレニー・ウィリアムズです。3年間の在籍中にリード・ヴォーカルを務めた3枚のアルバムは、いずれもバンドの代表的な作品となりました。
75年のこのアルバム以降はソロとして活躍し、多くのアーティストとも共演、2020年には新作アルバムを発表しています。


2022年06月
今月のお気に入り

RUFUS FEATURING CHAKA KHAN
●Rufus

このところ様々な規制も解除されて少しずつ日常を取り戻し、難しかった来日アーティストのライブも再開し始めました。今後のラインナップが楽しみです。
コロナ以前は毎年のように来日していたチャカ・カーン。また日本のステージで会えるのを心待ちにしているファンも多いでしょう。
このアルバムは75年名曲「スイート・シング」が収録されています。


2022年07月
今月のお気に入り

TOO
●The S. O. S. Band

S. O. S.とは「Sounds Of Success」の略で、80年代を通してまさに名前どおりの活躍をしたザ・S. O. S.バンド。80年のこのセカンド・アルバムからは「ドウ・イット・ナウ」がディスコ・シーンでヘビー・ローテーションとなりました。
災害級の猛暑も、ガリガリ君と80年代ファンクで元気に乗り切りましょう!


2022年08月
今月のお気に入り

ALIVE & KICKING
●The Delfonics

本格的な猛暑の到来に夏バテ気味になったら、フィリー・ソウルと冷たいカクテルでひと息つきましょう。
先月77歳で亡くなったリード・シンガー、ウィリアム・ハートへ追悼も込めて、デルフォニックスの74年のアルバムです。
バックを務めるミュージシャンは、もちろんMFSBの面々。軽快なフィラデルフィア・サウンドが温度と湿度を下げてくれそうです。


2022年09月
今月のお気に入り

EVERYTHING MUST CHANGE
●Randy Crawford

唐突に夏が終わり、このところの世の中の急激な変化とも相まって、「エブリシング・マスト・チェンジ」は移ろう季節に意味深く、胸に沁みる名曲です。
べナード・アイナーの曲で、クインシー・ジョーンズがオリジナル。多くのシンガーによってカバーされていますが、ランディ・クロフォードは75年ロサンゼルスでライブ録音、76年のデビュー・アルバムに収められました。


2022年10月
今月のお気に入り

JUST AS I AM
●Dee Harvey

91年公開の「ザ・ファイブ・ハート・ビーツ」は、60年代のコーラス・グループを描いたとてもよい音楽映画です。
この中で2曲のリード・ヴォーカルを務めたディー・ハーベイが同年リリースしたのがこの一枚。大きなヒットにはなりませんでしたが良質なアルバムで、じっくり聴かせるバラードから流行りのサウンドのダンスチューンで、90年代らしい仕上がりになっています。


2022年11月
今月のお気に入り

SKYY LINE
●Skyy

3年ぶりに戻ってきた、祭りやライブのある日常。DJイベントも少しずつ再開されてきたようです。
70年代中頃にニューヨークで設立されたサルソウル・レコードは、ダンス音楽に特化したレーベルでディスコやクラブのDJ達に今も根強く支持されています。
このアルバムは81年リリース。ダンス・クラシックのイベントには欠かせない一枚です。


2022年12月
今月のお気に入り

GOSPEL SONGS AT CHRISTMAS
●V.A.

この時期になると、教会の美しい飾りつけに引かれて礼拝堂をのぞいてみたくなります。日頃は世俗のソウル・ミュージックばかりですが、ルーツであるゴスペルを聴くのに最適な季節かもしれません。ゴスペル界のファースト・レディ、シャーリー・シーザやジェームズ・クリーブランド師も参加した、V.A.のクリスマス・アルバムです。


2023年01月
今月のお気に入り

STYLISTICS BEST COLLECTION
●The Stylistics

ソウル・ミュージックは詳しくないけどスタイリスティックスは好き、という声をよく耳にします。誰もが口ずさめるポピュラーなヒットと息の長い活動で、ショウを楽しみにしているファンが世界中にいるのです。コロナの規制が緩和されると早速来日してくれたのも嬉しいことでした。
このアルバムは74年、トム・ベルプロデュース時代のベスト・アルバムです。


2023年02月
今月のお気に入り

US
●Maceo Parker

ジェームズ・ブラウンのバンドに欠かせないのがメイシオ・パーカーのサックス・プレイ。弟であるメルヴィン・パーカーのドラムと共に、JBファンクの要として活躍しました。その後Pファンクやプリンスら多くのアーティストと共演、ソロとしても自らのバンドを率いて日本にもたびたび来日しています。このソロ・アルバムは74年、JBファミリーが全面的にバックアップしています。


2023年03月
今月のお気に入り

ALL ABOARD
●Side Effect

日差しは日毎に明るく暖かく、様々な規制も解除され、身も心も軽やかに前を向いて動き出したい春の訪れです。そんな気分にサイド・エフェクトのアーバンなジャズファンクはぴったり。70年代から活躍し、インコグニートが「オールウェイズ・ゼア」のカヴァーをヒットさせたことでも知られますが、このアルバムは82年、最後の作品としてエレクトラ・レコードからリリースされました。


2023年04月
今月のお気に入り

MY FAVORITE PERSON
●The O'jays

80年代にはいると、ミュージック・シーンはより軽く耳触りのよいサウンドが好まれるようになってゆきます。
フィラデルフィアを代表するグループ、オージェイズも時代の変化をリードするように、ラップを取り入れたりPファンクやロックでも活躍中のキーボード、バーニー・ウォーレルを招いたりと、新しい境地へ積極的に挑んでいます。82年のアルバムです。


2023年05月
今月のお気に入り

A HISTORY OF NEW ORLEANS
RHYTHM & BLUES, Vol.2
(1959〜1962)
●V.A.

この時期のニューオーリンズといえばジャズ&ヘリテッジ・フェスティバル。行動制限がなくなった今年は、日本からの観客も楽しんでいることでしょう。
そんなニューオーリンズのR&Bシーンを支え、確立してきたのがアラン・トゥーサンを始めとするレジェンド達。現在のジョン・バティステらの活躍につながってゆくルーツといえるでしょう。このコンピレーション・アルバムには、1959〜62年の代表的な曲が収録されています。


2023年06月
今月のお気に入り

BOBBY WOMACK
●THE POET Ⅱ

60年代から70年代半ばにかけて数々の名曲を送り出したボビー・ウーマック。
その後の低迷期を経て復活を果たした81年の「ポエット」、84年の「ポエット2」の2枚はどちらも必携の傑作アルバムです。
17年ぶりの来日となった2012年、ライブ会場は全国から駆けつけたファンの熱い思いで濃厚に満たされていました。


2023年07月
今月のお気に入り

BEHOLD THE MIGHTY ARMY
●New Birth

70年代に台頭した大所帯バンドの中でもヴォーカルの魅力がきわだつのはニュー・バース。ソウル・ファンクバンドを代表するヴォーカリストとして必ず名前の挙がるレズリー・ウィルソンが縦横無尽に歌いまくるこのアルバムは、ワーナー移籍第2弾、77年の作品です。
昨今のきなくさい軍隊はいただけませんが、こんなマイティー・アーミーなら応援したいものです。


2023年08月
今月のお気に入り

SOUL MUSIC
●Bennie Conn

今を生きる私達に影響を与え続ける偉大な存在。オーティス・レディング、サム・クック。60〜70年代を彷彿とさせるベニー・コーンのこのアルバムは、タイトルもずばり「ソウル・ミュージック」。
オーティスやサムへの思いを盛り込んだようなスタイルは、80年リリースとは思えない仕上がりです。


2023年09月
今月のお気に入り

SECRETS
●Con Funk Shun

コロナの規制がなくなり、ロックやポップスでは大物の来日が続きますが、ソウル・ファンク系はまだまだ少ないようです。
ライブで観たいファンク・バンドといえばコン・ファンク・シャン。無名の頃から来日し、伝説のディスコ「赤坂ムゲン」に1ヶ月単位で出演するなど日本と縁が深く、カリフォルニアのバンドらしいタイトさと明るさのあるステージはおすすめです。
このアルバムは77年の2作目で、「Ffun」が大ヒットした出世作です。


2023年10月
今月のお気に入り

THE MONTCLAIRS
●The Montclairs

セントルイス出身のザ・モントクレアーズ。オリジナルアルバムは72年の「ドリーミング・アウト・オブ・シーズン」1枚ですが、このアルバムは74年までにリリースされた7枚のシングルから10曲を選んだベスト盤。
ファルセット・ヴォイスが魅力のリード・ヴォーカル、フィル・ペリーはその後ソロ・デビューし、自身のアルバムのみならず、ジャズ・ヒュージョン系のセッションやインコグニートのアルバムにゲスト参加する等、現在に至るまで活躍しています。


2023年11月
今月のお気に入り

THE LEGENDARY
●The Soul Twins

誰もが知っているソウル・デュオといえばサム&デイヴですが、日本ではほとんど無名で66年〜70年にかけて数枚のシングル盤を残すのみだった本物の双子デュオ、ソウル・ツインズ。
レアな楽曲を好むイギリスの"ノーザン・ソウル"シーンでは知られた曲もあるようで、ほぼ全作品を集めた1枚のアルバムとしてUKでリリースされました。
日本盤はVIVID SOUNDから発売されています。


2023年12月
今月のお気に入り

EXPLORES YOUR MIND
●Al Green

サザン・ソウルの主要なレーベルといえばスタックス、ハイ、ゴールドワックス。
ハイ・サウンドを代表するスター、アル・グリーンは、ゴスペルから世俗のヒット曲を行きつ戻りつしながら、長く愛される名曲を世に出してきました。
メンフィスの彼の教会では、日曜ミサに誰でも参加できるそうで、熱心なファンにとってはまさに聖地ですね!
このアルバムは74年、「シャ・ラ・ラ」、「ゴッド・ブレスド・アワ・ラブ」等が収録されています。


2024年02月
今月のお気に入り

MEMPHIS
●Boz Scaggs

今月来日公演のボズ・スキャッグスはAORのヒットで知られていますが、本質はブルースやジャズ、ソウルの泥臭いブラック・ミュージック。2013年、70歳を前にロイヤル・スタジオで録音された本作は、アル・グリーンのカバー等、ウィリー・ミッチェルとメンフィス・ソウルへのオマージュを込めた傑作です。旧知の仲のプロデューサー、スティーヴ・ジョーダンは現在、ドラマーとしてローリング・ストーンズに参加しています。


2024年03月
今月のお気に入り

GREATEST HITS
●The Main Ingredient

メイン・イングリーディエントと聞いてぴんとこない人でも、多くのシンガーにカバーされている名曲「エブリバディ・プレイ・ザ・フール」は耳なじみがあるでしょう。72年、全米3位のミリオン・セラーとなりました。ニューヨーク、ハーレム出身の3人組で、リード・ヴォーカル、キューバ・グッディングの息子はアカデミー俳優キューバ・グッディング・Jr。このアルバムは73年、RCAレーベルの曲を集めたベスト・コレクションです。


2024年04月
今月のお気に入り

ESSAR
●Smokey Robinson

このところ海外で日本のシティ・ポップが人気ですが、84年のこの作品はスモーキー版シティ・ポップ・アルバムといったところでしょうか。
言わずと知れたモータウンの立役者、スモーキー・ロビンソン。2020年公開のドキュメンタリー映画「メイキング・オブ・モータウン」では盟友ベリー・ゴーディーと共にモータウンの制作秘話を語ってくれました。
昨年には14年ぶりとなるオリジナル・アルバムをリリース。60年以上にわたって活躍し続けるソウル・レジェンド。これからも、いつまでもと願わずにはいられません。


2024年05月
今月のお気に入り

DELEGATION II
●Delegation

70年代終盤から80年代初頭にかけて、クロスオーバーなサウンドで幅広い層に支持されるソウル・グループが台頭しました。
リッキー・ベイリー率いるUKソウル・コーラス・グループ、デレゲイションもその一つ。
AORファンにも人気が高く、名曲「Oh Honey」のヒット後、81年のこのサード・アルバムもファンクよし、メロウよしの申し分ない仕上がりになっています。


2024年06月
今月のお気に入り

THE FIRST TIME WE MET
●The Independents

セプター/ワンド・レーベルといえば、バート・バカラックやディオンヌ・ワーウィック、アイズレー・ブラザーズ等も在籍した名門レーベル。その立役者の一人チャック・ジャクソンと、後にシルクに参加するモーリス・ジャクソン、女性ヴォーカルのヘレン・カリーで結成されたザ・インディペンデンツ。
72年のこのファースト・アルバムでは、ソングライターとして参加したジェリー・バトラーからの推薦文も記載され、シカゴ・ソウルの香り高いスウィート・ソウルファンに人気の一枚です。


2024年07月
今月のお気に入り

YESTERDAY, TODAY,
      & TOMORROW
●Spinners

結成以来70年のスピナーズ。2023年のヘンリー・ファンブロウの引退でオリジナル・メンバーはいなくなりましたが、現在もツアーを続けています。
メガネとヒゲがトレードマークの3代目リード・シンガー、フィリップ・ウィンは77年のこのアルバムを最後にソロに転向、その後はソロ・アルバムをリリースしたり、Pファンクにも参加する等、意欲的に活動することになります。